カナダで生活する、それは英語で生活するということですよね。「行ってみたいけど英語力が不安」という方も多いと思います。そこで今回は、“保育士として働く”ために必要な英語力について、私の経験を元にお話したいと思います。
この連載では、私Harukaが保育士としてカナダで経験したことをベースに、 現在のカナダの保育事情や「これからカナダに行ってみたい!日本以外で保育士として活躍してみたい!」と思っていらっしゃる方に役立つ情報をご案内します。
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セミナー当日はブログに書けなかったお話や、私自身の具体的な例などたくさん紹介できればと思っておりますので、是非こちらからお申し込みください。当日お会いできることを楽しみにしています!
ワーキングホリデーでカナダにやって来た私は、人の言ってることが分からないし、自分の言いたいことは出てこないしで、「よくそんな状態で単身カナダにやってきたな!」と今ならツッコむレベルでした。3歳児以下というのも、その当時の私は自分の分かる簡単な単語のみでコミュニケーションを取っていたからです。リスニングでは、知っている単語しか拾えず、スピーキングに至ってはとっさに文を組み立てる能力がないので、単語と身振りでどうにかしていました。それでも語学学校での勉強半年間を経て、少しずつ生活に慣れたおかげもあって、文法はメチャクチャながらにだんだん簡単な文章を作れるようになり、少しずつ語彙も増え、ワーキングホリデーを終える頃には日常の基礎のコミュニケーションは取れるくらいにはなりました。
ワーキングホリデーを終えて日本に帰国し、学生ビザで再渡航するまでに1年の英語ブランクがありましたが、幸い学校の入学基準は満たすことができたので、渡航してすぐに専門学校に入学しました。しかし、入学基準を満たしたとはいえ授業についていくのは大変でした。先生の話が聞き取れないし、分からないことだらけで、質問するにも何から質問していいやらという感じ。。。課題すら聞き逃していたりして、クラスメイトにしょっちゅう助けられていました。家に帰ると毎日のようにホストマザーに「I can’t do this…」って嘆いていました。そのたびに笑って励ましてくれたホストマザーには感謝しかないです。
専門学校を卒業し保育士として本格的に働き初めた頃には、日常会話は問題ないくらいになっていました。当時働いていた保育園では毎日お昼寝の時間にDVDを流していたので、寝かしつけをしながらぼーっと眺めていたのですが、ふと、字幕無しで聞き取れるようになった自分に気づいて、ちょっと感動しました。英語って日々の中では上達を実感できなくてすごくもどかしいのですが、何気ない瞬間に成長を知れると嬉しいですよね!
日常会話はOKなんて言いつつ、英語はまだまだでした。聞き取りはできても思うように自分の言葉が出てこなかったり、話しているうちに何が言いたいかわからなくなっちゃったり。子供の絵本を読んでいても知らない単語が出てくることはよくありました。同僚と何気なく会話している時に、自分だけわからないジョークがあることもしょっちゅうでした。
子どもたちのご両親との会話は一番気を使うし、大切な情報もあるので、特に苦労していました。日々の談笑はいいのだけれど、家族間のトラブルやセラピーの話など、少し話が複雑になるとついていけなくなってしまうこともありました。特に朝の連絡事項は、ご両親たちも出勤前で時間が無い中なので、私のために詳しい説明を仰ぐのも申し訳なくて。ご両親たちも、大事な情報は私ではなく他の先生に伝えるようにしているなぁというのがどことなく感じ取れるときもあったので、新人の間は特に自分の不甲斐なさに凹んだこともたくさんありました。
子供達が使う幼児英語は子供が周りにいる環境でない限り日常会話で使うこともなく、当然学校でも習わないので、保育士として仕事を始めてから徐々に身につきました。ホイクペディアでもこれまでに幼児英語の例をご紹介していますので参考にしてみてください。
参考記事 → 『ブックマーク必須!覚えておきたい幼児英語集保存版』
保育園にある用具の名前も、保育士になってから学びました。例えば “よだれかけ” とか “抱っこひも”。ふとした時に、「あれ?これ英語でなんて呼ぶんだ?」って思うものがたくさんでした。
ちなみによだれかけは “Bib”、抱っこ紐は “Baby Carrier” とか、布製のものは “Sling” と呼びます。
日本語の会話でも、子供とお話するときと、大人との会話ではなんとなく使う言葉が違いますよね。子供に向けた言い回しというか、わかりやすいシンプルな伝え方は保育士になって身につきました。例えば、子供がうるさくしているとき、”静かにして” と言う代わりに、”Inside voice, please” (”室内用の声で話そうね”)といいます。このように、なにかを注意するときに使う言葉は特にシンプルです。室内で走らないでって伝える時に “Walking feet, please”(“歩き足”) とか、手が出てしまうけんかをしてる子には “Hands to yourself”(“お手ては自分に”) などなど。保育士として働いてからは、職業病か、普段の大人との会話でもちょっと保育士っぽくなってしまうことあります。笑
『英語力はどれくらい必要ですか?』という質問は皆様から特に多く頂きます。語学留学であれば英語が全然できなくても大丈夫ですが、“カナダで保育士として働く”ということを目標にする場合は、”情報伝達力”としての英語力は最低限必要です。子どもの安全を第一に考えて働くお仕事ですので、緊急事態が発生する可能性があることも考えると、状況を説明できるだけの英語力は備えたいですよね。発音がきれいであるとか、そういうことは二の次でもいいと思いますが、最低限コミュニケーションを取れる英語は必須です。
“緊急事態に対応する英語力”と言うと、ちょっと難しく聞こえてしまいますね。そこで、セミナーでは英語力が全くなかった私が保育士として働くために、実際に行った勉強方法についてお話させていただきます。今日は、その一部を少しだけ紹介します。
私が保育士として働き始めた当初は、オープニングのシフトを任されていたので、朝の早い時間は私一人勤務の時間が30分ありました。30分というと短くも聞こえますが、”なにか緊急事態が起こったら私一人で全て対応しなきゃいけない”という不安は常にありました。幸い大きなトラブルに見舞われることはなかったのですが、”何かあった時のためのシュミレーション”を常にしていました。言語の習得はとても時間がかかるので、最初はものごとに優先順位をつけて、ピンポイントで必要な英語を学ぶことが大切だと思います。万が一のシュミレーションに慣れてからは、大きな不安が1つ無くなったことで仕事が楽しくなりました。大事なことさえ押さえておけば、子どもは気遣いなく英語を話してくれるし、働きながら楽しく英語を学べるのも保育士の良さだと感じてます。
こんな風に保育士経験者としてブログを書かせていただいていますが、私自身、まだまだ英語は勉強中です。渡航当初から比べれば我ながらずいぶん上達しましたが、本当にまだまだです。未だに聞き取れないこと、言いたいことがうまく説明できないことが多々あります。だって母国語じゃないですもん、そりゃ不自由です。だから日々勉強です。「私未だにこのレベルかー。。。」と英語力のなさに凹むこともあります。でも、日々生活している中で実感する機会はなくても、少しずつ着実に上達していけるものだと信じて、気負わず頑張っています。