皆さんこんにちは、mayです。
前回の記事「カナダで保育を学ぶ!現役留学生が大学を徹底レポート!~保育学部紹介編~」に引き続き、大学紹介をしたいのですが、今回は具体的な授業内容をご紹介したいと思います!
まず前提として、カナダは国ではなく、州が保育・幼児教育の方針を定め、保育士免許の発行をしています。私の住むBC州の教育方針は、イタリアのReggio Emiliaをはじめ、色々な地方の教育方針にインスピレーションを受けて作られたそうです。
ちなみにBC州の教育方針はBC州のHPからダウンロードもできます。
(私はEarly Learning Frameworkを教育方針と訳しましたが、他の呼び方もあると思うのでご留意ください!Frameworkはちなみに、「枠組み」とか「構成」という意味です。直訳すると「幼児教育の枠組み」という感じでしょうか)
だいたいどの授業でも持ってくるように言われるこの「BC Early Learning Framework」。それくらい基本となる本なのであります。
私の大学は秋・春・夏学期(セメスター)とあり、ちょうど今は夏セメスターが終わったところです。夏セメスターは短いので少し他の学期とは違いますが時間割と共に授業内容の紹介をしようと思います!というわけでこちらが時間割。
通常春と秋は4ヶ月で1セメスターなのに対し、夏は2ヶ月で1セメスター。(授業によっては通常通り4ヶ月かかる授業もあり)よって通常の2倍の速度で授業が進んでいきます。週に1回の授業が週2回になるため、私は2授業のみを履修。
そしてお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、授業が夜に集中しています。これは何故かというと、保育学部は実習があるため、朝から夕方までは実習、その後授業という時間割が作れるよう、多くの授業が夜に設定されているのです。6時から9時までが授業なので、夜ごはんはいったいいつ食べるの??と思っていましたが、お弁当を持ってきて授業中に食べるという生徒が結構多くいました。笑 (そこらへん結構ユルいです。笑)
時間割上に見える数字は、授業の種類を表しているのですが、このEDUC179というのは「Guiding Young Children」という授業でした。この授業では、例えばある子供(Aちゃんとしましょう)が「Bちゃん、 あなたと遊びたくないからあっち行って!」と言った場合、先生としてどう対応するかを考えたり、部屋の中を走り回っている子供に対してどう走ってはいけないことを伝えたりするかを学びました。BC州は、子供の意思や権利を尊重する教育方針のため、先ほどの例でいうとAちゃんがBちゃんと遊びたくないという意思も尊重しつつBちゃんがAちゃんと遊びたいという意思も尊重する対応が求められます。また、走り回っている子供に対して頭ごなしに「こら!走っちゃいけません!」などとは言ってもいけません。(否定文ではなく肯定文で注意をします。なので「建物の中は歩いてね」などという注意の仕方になります。)このように、「こういう場合どうしたらいいか」という事例をたくさん勉強し、教育者としてどのように子供たちを諭していくかを考えるのがこの授業でした。
EDUC190という名前で示されているこの授業は、実際に週に1回(私の時間割上は水曜日の朝から夕方まで)デイケアに行き、観察をし記録をする授業でした。例えば、子供が粘土の上に足を乗せて踏んづけた時、粘土の形が変わり、靴の裏の模様が粘土にうつることを発見したとしましょう。大人にとっては当たり前のことで、気にもとめないことかもしれませんが、「何で模様がつくの!」と子供にとっては大発見。そういった子供が何かを発見した瞬間などを観察し、記録をするのがこの授業の柱。通常の授業の時間には先生の役割とはどのようなものかとか、観察や記録がどのように子供たちの発達に役立つかなどを学習。毎週観察レポートを提出しなければいけなかったので課題は多かったですが、現場で働いている先生たちがどのように子供たちと関わっているか、どんなアクティビティをしているかなども観察できたので、非常に有意義な授業でした。
というわけでちょっと固い内容になってしまいましたが、実際の授業がどんな授業かを紹介させていただきました!日本で保育の勉強をしていないので実際はわかりませんが、日本だったらこういう風にはしないだろうなーと思うことがたくさん。でも子供を子供として扱うのではなく、一人の人間として接するこのBC州の教育方針は学んでいて面白いし、良いものだなあと思っています。自分に子供ができたらぜひBC州の保育園へ入ってもらいたい!と思うほど。笑
授業の進め方自体は教科書を授業の前に読んでおく→授業内で討論というスタイルだったので、毎日宿題に追われていましたが、ただ講義を聞いて終わりというわけではないので理解しやすいし、わからないことは先生にばんばん質問できるので、置いてきぼりになることはなかったです。笑
この記事でご紹介したのはほんの一部ですが、このブログを通して、カナダで保育士として働くことに少しでも魅力を感じていただければ幸いです!