こんにちは、Hoikupediaスタッフです。新年度の9月を控え、就職活動が活発になっています。そんな中”カナダの1年間で完結するECE Basic(BC州のECEのライセンスを取るプログラム)を修了した後、仕事を見つけたとしてもWork Permitが出ないと聞いたけど本当?”という質問をいただく事が立て続けに続いたので、今回はその疑問について詳しく解説します。
結論:問題ありません
まず、結論から言うと、ECE Basicプログラムを修了した後に仕事を見つけてもWork Permitを取得することは可能です。具体的には1年のプログラムでも条件を満たすアシスタントとして申請をすることでWork Permitを取得できます。以下に詳しい説明をします。
ワーキングホリデー制度の利用など、Work Permitの取り方も複数ありますが、今回はLMIA(Labour Market Impact Assessment)を伴う方法を指しています。まずはLMIAとWork Permitの関係性を理解することが重要です。
企業がある特定のポジションに対して外国人を採用しても良いというカナダ労働省からの許可証です。企業は以下の手続きを行います:
1. 求人広告の掲載:企業はカナダ国内で求人広告を掲載し、カナダ人や永住者が応募しなかったことを証明する必要があります。
2. LMIA申請:求人活動を行った後、企業はカナダ労働省にLMIAを申請します。
3. LMIAの発行:労働省が審査を行い、外国人を雇うことがカナダの労働市場に悪影響を与えないと判断した場合、LMIAが発行されます。
LMIA自体はワークパーミットではなく、また取得は企業が行うものであり外国人労働者はこの時点では関係ありません。
LMIAを取得した雇用主は、採用したい外国人にLMIAの許可書を渡します。この許可書を受け取った外国人は、カナダ移民局にてWork Permitを申請します。ワークパーミットの申請基準は、その外国人がその仕事をする能力があるかどうかで、基準は職種毎にカナダ政府が設定しています。例えば、BC州の看護師の場合は日本と同様に資格ないと仕事に就くことが出来ません。対してBC州の美容師は資格がなくても髪を切ることが可能です。
保育士の条件
• 2年から4年の保育を専攻としたカレッジプログラムの修了、またはChild Developmentのバチェラー
• 州発行の資格
ECE Basicプログラムは1年間のカレッジプログラムのため、保育系の学歴が1年間のみの場合、2年から4年のプログラムの修了要件を満たさないことがあり、ワークパーミットが却下されます。
ではどうするか?
アシスタントの条件は以下のとおり:
• 高校修了資格
• チャイルドケアの経験
• 専門学校以上でのチャイルドケアプログラムの修了
• 州発行の資格(資格がある場合のみ)
ビザを管理するのは国の政府であるのに対して、教育を管理するのは州政府であることが理由です。BC州は1年で3-5歳対応の正規の保育士資格、2年目を修了すると乳幼児や障害を持った子供の正規保育士資格を取得できます。対して、オンタリオ州の場合、正規の保育士資格を取得するためには2年のカレッジが必要で、1年ではアシスタントという扱いです。このような背景から、2年で正規とするというルールが国の政府のルールとして適用されています。弊社ではこの件について過去に移民局に問い合わせをした事があります。その際、移民局も制度の欠陥として認めましたが、国の職員としては国の法律に従うしかないと回答がありました。州の力が強い州立国家ゆえの問題ですね。
せっかくECEの資格を取得したのに“アシスタント”と呼ばれるポジションで働くのは良い気はしないかもしれませんが、実際にはデメリットはありません。保育園ではECEのライセンスホルダーとして働くことができ、3-5歳児を単独で見ることが可能です(アシスタントライセンスでは不可)。また、政府からの助成金であるWage Enhancementもライセンスの種類に応じてセンターが州政府に申請するものであり、LMIA申請時のポジションは関係ありません。
弊社は年間50件程度の保育士の就労ビザ、永住権のサポートを行っています。雇用主への説明、LMIA、就労ビザのサポートを行っております。BC州で就労ビザの申請が必要な場合は、ぜひご連絡ください。