今日は、カナダで、というか欧米諸国全体で主流となりつつあるEmergent Curriculumという保育カリキュラムについてお話しようと思います。
このEmergent Curriculumとは簡単に言うと、「子供の興味・好奇心に臨機応変に対応しながらカリキュラム作りをしていく」というもの。つまり、週間・月間・年間の教育マニュアルや前もってされたプランニングなどがなく、その時その時の子供たちの行動や反応を観察して、子供と一緒に授業内容を決めていくんです。
最近世界でもその教育方針の重要性と価値を認められ、評価をぐんぐん上げている教育方針の一つReggio Emilia Approachが取りれていることでも有名なEmergent Curriculum。私も過去に働いていたほとんどの施設や、今働いている施設でもこのカリキュラムを取り入れています。カナダにある保育関係の大学やカレッジでは基本的にEmergent Curriculum中心に学びます。
Reggio Emiliaを実際に体験された日本の方がまとめた体験記がこちら。
子供を観察する能力は高いものが求められるし、クリエイティブで知識豊富じゃないと臨機応変にその時々の子供の興味に合ったアクティビティを提供してあげることができないので、先生にとっては大きな負担になる!っていう人もいるんですが、慣れてくると楽しみながら、子供と一緒に授業内容を考えられるので私は個人的にとっても好きなカリキュラム☆
これは完全に私個人の経験からなのですが、やっぱり子供が自分たちで考え出した「学びたい!」で毎日が溢れているので、「学ばないといけない」「やらされている」というストレスによるdifficult behaviors と言われる問題行動なんかがすごく少ない気がします。
ここで勝手に、過去に大成功したEmergent Curriculumプランニングの例を紹介したいと思います☆
こちら、教室に出現したスターバックスなんですが、このスターバックスの始まりはというと、先生が捨て忘れたスターバックスのカップ。
子供たち(当時2~3歳)がそのカップを見て、「なにこれ?」「何が入ってるの?」としきりに聞いてきたり、「お母さんお父さんとよく行く!」なんていう子もいたりして、スターバックスの話で大盛り上がりしたので、一度スターバックスに行ってみよう!と、すぐに軽いフィールドトリップをかねてスターバックスへ向かいました。ラッキーなことに、この園から歩いて10分くらいのとこにスタバがあったんです☆なので、こどもの好奇心ほやほやのうちにすぐに向かいました!
実際にスターバックスに行って、ちゃんと席に着いて、大人に混じって一人一つキッズサイズのホットチョコレートを飲んで、満足して教室に帰ってきたら、みんなはもうカフェごっこで大盛り上がり。これはスターバックスをつくるしかない!と思い、それまでのごっこ遊びグッズを全て片付け、後日また皆でスターバックスに行って、カップやストロー、スリーブなどのスタバグッズを分けてもらい、みんなでスターバックスを作り上げました☆
メニューもみんなで決めて、どんな物を置けばいいかもみんなで決めて、自分たちで作ったオリジナルスターバックス☆子供たちも大喜びで、とっても楽しんでいました。なんと1ヶ月以上あきることなくスタバごっこで大盛り上がりでした。
後からお金を加えて算数の勉強とコラボしたり、自分たちで食べ物を作ってアートとコラボしたり、子供たちの興味からたくさんのアクティビティが生まれ、スタバごっこはどんどん進化していきました。この「進化」「発展」のプロセスがEmergent Curriculumではとっても重要なんですよね。
こんな風にEmergent Curriculumは、小さなきっかけから大きなプロジェクトへと発展していくのが先生にも子供たちにも楽しいんです。まだまだ日本では、というかアジアでは浸透していないと何かで読んだことがあるのですが、このカリキュラムを学ぶためにカナダに来ても損はない!というくらい学ぶ価値があると私は思います!