すっかり暑くなって夏がやってきた!トロントから今日も現地の保育情報をお届けします!
今日は、私が以前サブ(非常勤)として働いていた保育所(3-5歳クラスとToddlerクラスのある施設)が行っている少しユニーク?不思議な?変わった?保育システムについてお話ししようと思います。
そのシステムとは・・・
プライマリーケアギバーシステム
と呼ばれるものです。
日本では担当性保育と呼ばれるものですね。
簡単に説明すると、クラスにいる先生3人・子供24人(3-5歳児の場合。3歳未満は1:4)の中で、さらに先生ごとに子供が8人づつグループ分けをされ、先生は担当するその8人の子供をメインに保育するというもの。日本でも、担当制保育という名前で存在し、取り入れている施設もあるそうですね。
私が働いていた保育所とにかくこのシステムを徹底していました。先生たちはお外に遊びに行くときや、ご飯を食べるとき、アートや何か特別なアクティビティをするとき等、自分のグループの子供をTake Careして他の16人は他の先生2人がそれぞれのグループの子どもたちをみるといった感じになっています。
わかりやすくアルファベットと番号で・・・
先生Aが1~8の子供担当
先生Bが9~16
先生Cが17~24
みたいな感じ。このグループは子供が卒業するまでほとんどかわることがありません!
このシステム、実は賛否両論。プラスもマイナスも存在します。
まずプラスは、自分のグループの子供たちやその家族ととにかく強い信頼関係を結べて、一人一人のことをより良く知ることができるということ。
逆にマイナスな部分は、他の16人の子供たちとの関係を築くのに時間と労力がかかる。また、担当している先生が休んだりすると、子供はもちろん他のグループ担当の先生の負担が大きくなるなどなど。
このシステム、サブの先生にはとってもありがたくないシステムなんです。だってほぼ初対面の子供たちを一人で見ないといけないんですから・・・。特にこの保育所は徹底していたので、他の先生とグループの子供たちはお外にいるか他の教室にいるか。完全に別行動なんです。
とある日、私は朝から、その日担当することになる8人の子供のいる小さなクラスルームをたった一人で見ることになりました。初対面の子供がほとんど・・・。
担当の先生がいないだけでも不安な子供たちなのに今まで見たこともないサブの私が突然やってきて、この先生の言うことを聞いてねと言われても、そりゃぁ聞くわけもないです。
キッチンを隔てた向こう側にある大きめのクラスルームにいる別グループ担当の先生に「わからないことがあればなんでも聞いてね」と言われていたので、何か不安なことがあるとおっきな声で助けを何回も何十回も求めて、なんとか乗り切ったという感じです。
このシステム、大学では学んでいたものの、実際に取り入れているプログラムで働いたことがなかったため、正直最初はかなりとまどいました。
(このシステム自体を取り入れている保育所が極めて少ないんですよね。しかも3-5歳児プログラムではほぼ皆無じゃないでしょうか?3歳未満、特に乳児のプログラムでは少し緩い感じで取り入れられている場所はいくつかありましたが・・・。)
完璧にこのグループ割に従って1日のアクティビティが進んでいったり、1日が終わる頃に初めて顔を合わせる子供たちなんかもいて、ものすごく不思議な感覚を味わいました。
正直、勤務後はいつもの2倍以上疲れましたが、カナダで保育士6年目にして新鮮な体験が出来てよかったと思います。
以前は保育施設の多様性について話して、驚いた方もいるかもしれませんが、この保育スタイルにもっと驚いた人もいるんじゃないでしょうか!?
でも、こんな風に保育スタイルも一つではないところもとっても面白いですよね☆