東京で保育園を複数園展開する会社との共同事業として、カナダ国内に保育園のオープンをしようと物件探しを進めていたホイクぺディアですが、アメリカのカリフォルニア州サンフランシスコであればちょうど良い物件があるのでそっちで保育園をやりませんかというお話が来ました。
まだ検討の段階ですが早速対象物件の視察と、現地の様子を見に17日から行ってきます。
そこでこの機会に備忘録も兼ねてアメリカのカリフォルニア州とバンクーバーのあるカナダのブリティッシュコロンビア州(以下BC州)を比較し、保育園の需要、チャイルドケアの種類、子供一人当たりに必要なスペース、先生と子供の割合、保育料などの基礎情報をまとめてみます。
また後半ではカリフォルニア州での保育園の開園方法をまとめます。
※アメリカもカナダも州ごとにルールが違うこと、また正確な情報ではない可能性もありますのでご注意ください。
保育園需要については、アメリカ・カナダと一括りにしても地域によって様々なので今回はアメリカのカリフォルニア州サンフランシスコとカナダのBC州バンクーバーの保育園需要についてです。
サンフランシスコもバンクーバーも保育園需要が高いようです。特に不足しているのがサンフランシスコもバンクーバーも3歳以下の保育園です。生まれてすぐはもちろんのこと、生まれる前から待機児童リストに入れて保育園の空きが出るのを待ちますが保育園に入れないということも多々あるのでその場合はオペア(ナニー)を雇う、または複数家庭でナニーシェアをして子供のお世話をしてもらいます。
パンデミック後の保育士不足が問題になっていて、労働力確保ができないため施設はあっても子供の受け入れを見合わせている、または閉園を余儀なくされたという園もあります。チャイルドケア不足は世界共通の悩みなのかもしれませんね。
アメリカもカナダも大きく分けて2つの保育園の形があります。一つ目はFamily Daycare(Family Childcare, Home care..)とDay-care Centre(Group Daycare)。一つ目のFamily Daycareは自宅のベースメントなど家の一部分を保育園に使って少人数(年齢や広さ、保育士免許の有無にもよりますが1〜8人程度)の子供の面倒を見る。通常住んでいる人が保育者として保育を行います。
もう一つのDay-care Centre(Group Daycare)は商業用や教会、コミュニティーセンターなどを使って多人数の子供の面倒を複数の保育士やアシスタント保育士で見ます。 この他にPreschool(幼稚園)があります。
年齢はInfant(乳幼児)/Toddler(1-2歳)/3-5歳児/School Age(6-12歳の学童保育)と分けられています。Family DayCare、Daycare Centre共にこれらの年齢の子が対象です。
チャイルドケアと一括りにしても規定なども違ってきます。これらの種類の違いを知った上で、以下は日本の保育園に当たるDay-care Centreを中心にご紹介します。
時間はどちらの国も月曜〜金曜7:00am-6:00pmの間に開いているところがほとんどです。
週末保育や夜間保育を行なっているところもあります。
子供一人当たりに必要だと定められている面積については違いがあるので一つずつご紹介します。
室内:35SF
野外:75SF
室内:39.8SF (3.7m2)
野外:64.6SF (6m2)
アメリカとカナダを比べると室内はカナダの方が広く、野外はアメリカの方が広く規定されていることがわかります。
先生:子供の比率についても違いがあるので一つずつご紹介します。
0-2歳児 1:4
2-6歳児 1:12
参照 Regulation and Licensing of Child Care Programs In California
0-2歳児 1:4
3-5歳児 1:8
参照 CHILD CARE LICENSING REGULATION
※これはDay-care Centreの比率なのでPreschool(幼稚園)では少し違ってきます。
アメリカでは2歳児から保育士1人に対して子供12人なので、カナダと比べると先生一人当たりの負担が大きそうですね。日本の場合は3歳児 1:20、4-5歳児 1:30なので保育スタイルの違いはありますが、日本で保育園経営をされていて海外展開を考えていらっしゃる方は先生と子供の割合に気をつけておかないと人件費の誤差が大きそうです。
0-2歳 $2459/月(USドル)
2-5歳 $1880/月(USドル)
0-1.5歳 $1683/月(カナダドル)
1.5-3歳 $1621/月(カナダドル)
3-5歳 $1100/月(カナダドル)
(1USドル=1.25カナダドル)
カナダドルとアメリカドルの為替を考慮しなくてもアメリカの保育料が圧倒的に高いことがわかります。ちなみにカリフォルニア州サンフランシスコの一世帯あたりの中央値の年収は$123,859、BC州バンクーバが$96,423なので年収の差はありますが高い保育料だと言えます。
Family DaycareやDay-care Centreなど、どの形の保育園を開園するにしても運営をする上でライセンス取得とトレーニングを受ける必要があります。
上記に紹介したように、子供一人当たりに必要なスペースが決まっているのでスペースの平方フィート、レイアウト、交通量、駐車場、および予想されるユーティリティ(電気・ガス・水道など)の使用状況に関する情報を提出し、その場所で保育園を運営する許可を取る。
下のサイトより予約してオリエンテーションに参加する
Child Care Center Online Orientations
Child Care Laws and Regulations
結核検査の証明と、身体的に子供の世話ができることを証明する医師の声明を提出。
受けていない場合は、応急処置とCPRのトレーニングプログラムに参加。
間取り図のスケッチと、すべての家具と遊具のリストを作成。
毎日のスケジュール作成、入園に関するポリシーを含むハンドブック作成。
消防検査を受ける。
Day-care Centre(Group Daycare)の場合は、保育所の運営者や場所に関する基本的なフォームに加えて、財務情報、スタッフとトレーニングの詳細、毎日のスケジュールなどの追加情報を提出。
Family Daycareの場合は、自分自身と従業員、または家に住む他の成人の身元調査情報を提出。
チャイルドケアオフィスよりインスペクションを受け合格したら、保育施設運営のための免許が与えられます。
Manual of Policies and Procedures COMMUNITY CARE LICENSING DIVISION
保育料と保育士と子供の割合が若干違うことを除いて、アメリカもカナダも保育園の種類や規則など似ている点が多いですね。今回はサンフランシスコでの開園の話を頂いたのでカリフォルニア州の保育園開園の方法をご紹介させていただきましたが、大まかな流れとしては私の住むBC州の開園方法とほとんど同じでした。
ホイクぺディアを運営するCOSカナダ留学サポートデスクでは日本の保育園事業者様からの海外進出の相談等もお受けしています。
こちらよりお気軽にご相談ください。