現在カナダで保育士になるため、カレッジに通っています、現役学生のSachikoです。今日はカナダのカレッジで学んだ“親と子どもの絆、愛着”についてのお話です。
Early Childhood Education basicコースの科目の Child Growth and Developmentにあたります。
心理学者John Bowdlyの研究によると、子どもは生後6週間ごろから約6~8か月ごろにかけて、自分のお世話をしてくれる身近な大人に信頼を抱きはじめます。例えばお母さんが子どもを抱くと、他の人がやるのと比べてすぐに笑顔を見せたり、声を発したりします。ただしこの頃はまだお母さんが突然いなくなっても、抵抗を見せたりはしません。
そして約6~8か月ごろから2歳ころになると、子どもといつも世話をしてくれる大人への愛着は明らかなものとなります。例えばお母さんが目の前からいなくなってしまうと、不安や苛立ちを見せたり、泣きだしてしまいます。これを 分離不安 (Separation anxiety)といいます。 また知らない人には警戒するようになります。そのため、1歳前に保育園に預け始めるのは子どもの心理状態からすると分離不安がないため負担が少ないといえます。
U.S National Institute of Child Health and Development(NICHD)は1歳未満の子どもが保育園を利用することで愛着形成が不安定になったり成長に影響がでることはなく、むしろ家庭と保育園の両方の環境が心身健やかに育つためには関係しているといいます。例えば、家でお母さんがずっと子どもの面倒をみていたとします。ただ、本当は仕事に行きたいが、子どものためと思い一人でずっと子育てをすることでストレスをためてしまってはそちらの方が子どもに悪い影響がでます。
また逆に、子どもがフルタイムで保育園に通っていたとしても保育士の私たちが質の良い保育をすると、愛着形成を含め子どもの成長を促進できることがわかっています。NICHDは3歳になるまでに高い質の保育を受けた子どもはソーシャルスキルが高いというデータも示しています。もちろんこれは子どもによって差はあるため保育園に行くことが子どものストレスになる場合もありますが、それは保育園に通わずに家庭で育児をする場合も同じことが言えると思います。
Guiding and Caring はじめその他のEarly Childhood Educationコースのカリキュラムを参考にし、その一部を記載します。
上記は子どもにフォーカスしていますが、保育士も一人の人間です。そのため、私たち保育士が働きやすい環境をつくっていくことも大切です。先生通し助け合ったり、子どもたちとの貴重な会話をシェアしたり、保育することを楽しめるといいなと思います。
今回は共働きの家庭のお母さんを焦点にして記事を書きましたが、実際にはいろいろな家族のスタイルがあると思います。カナダでは子どもがいても結婚しない選択をする人も少なくないため、シングルマザーやシングルファザーの家庭、お母さん二人やお父さん二人の家庭やお爺ちゃんお祖母ちゃんが子どもを育てている家庭など家族のスタイルはいろいろです。可愛い子どもと本当は一緒にいたいけど、働く選択をする人もいると思います。私は日本で働きながら子育てをする方にも罪悪感なく保育園を利用してほしいなと思っています。日本でもカナダでも保育園は他の業種に比べれば財政が豊かとはいえませんが、経験豊富な保育士さんのアイデアはやっぱり素晴らしいです。施設や遊び道具が限られていても、子どもたちの学びを深めたり考える力を生み出します。私も子どもはもともと好きですが、保育の勉強をするようになり子どもがよりよく成長できるように私は何ができるかなと考えるようになりました。現場で子どもたちやその家族、他の先生ともタッグを組み“質の高い保育”ができる保育士になれるよう私も頑張りたいと思います。
他にもEarly Childhood Education basic コースでは様々なことを学ぶことができます。現役学生としてどんなことを学んでいるのかこれからも発信していきたいと思います。