今日はカナダのカレッジで学んだ3-5歳向けの“さんすう”のお話です。
Early Childhood Education basicコースの科目のSocial Studies and Mathにあたります。
みなさんは算数や数学と聞くとどんなイメージが浮かびますか?私は完全な文系タイプなので算数の授業と聞くだけで拒否反応がでました(笑)。でも、ここでいう”さんすう”とは、「1+2=3」「5-4=1」などのように数字や公式を暗記してワークシートの問題を解くことではありません。
たとえば、1歳の赤ちゃんも哺乳瓶のサイズ、形、重さを感じたり、3歳の子どもがそれぞれのお人形にコップを一つずつ渡してあげることもさんすうの基礎となります。そんな数や形の概念を学ぶ機会を保育園ではつくれるのです。
児童心理学者のジャン・ピアジェは私たちが色やサイズ、形、感触などを認知する身体的な知識は論理数学的知識(logico-mathematical knowledge)を構築するといいます。この論理数学的知識は数学的な思考力、理解力の基礎を築く重要な役割をします。
学習面だけでなく、数を数えたり、大小を把握することは、日常でも必要な力ですよね。幼少期にその基礎を築くことが大切といわれています。「じゃあ子どもたちに数字の書き方を練習させなくちゃ!」と焦ってしまいそうですが、それは違います。
カナダの保育では子どもたち自身の興味・自習性を尊重します。”遊ぶ”ことが子どもたちにとっては最高の学びの機会で沢山のことを経験しているからです。
そこで今回は実際に私が学校で作った、子どもたちが楽しみながら、さんすうに触れることができる遊びを紹介します。
さんすう遊び
数字の順番に合わせて並び替えるパズルです。カナダの本は左から右へ読んでいくので、数字を左から1,2,3,4と書いていきます。まだ数字が読めない子も魚の形や〇△☆など記号のかたちをくっつけることでパズルを組み合わせることができます。これは数字4つまでですが、もっと数を増やして難易度をあげることもできます
画用紙に絵や数字を書き、はさみで切ります。パズルをつくるところから一緒に子どもと取り組むこともできます
数の数え方を学べるあそびです。フェルトでできたりんごと木を使います。子どもたちは1,2,3と言えるからといって、実際に物の数を理解しているかというとそうではありません。「数字5のバスケットにりんご5つ集めてみよう!1,2,3,4,5」と実際にりんごを手に取り1つ、2つ、3つと数字の意味を体感することができます。
4色の画用紙と段ボールを〇△□☆に形を切り抜きます。色の名前が表、形の絵が裏にかかれている紙を用意します。色ごと、形ごとの仲間わけに挑戦できる遊びです。
私は初め画用紙をラミネートしたものを使用としましたが、先生に3歳くらいの子どもには掴みにくいと教えてもらい、掴みやすくするように厚みのある段ボール版もつくりました。
子どもたちも大好きなピザを使い数字という記号を学ぶ遊びです。ペペロニの赤い丸の数を一緒に数えながら、お皿の上に書いてある数字と同じスペースにピザをおいていきます。数字がまだ読めない年齢の子でもペペロニの数を一緒に数えることで数字に親しむことができます。
続いては、大中小が学べる遊びです。大きい、小さいとは2つ以上のものを比べたときに使う言葉です。「一番大きいものはどれ?」と質問したり、「一番小さいものをください」と声掛けをすることで、子どもたちが大きさの概念を学ぶができます。
キャップや筒、スティックなどを使って組み立てたり、積み上げたりすることで、立体空間を体感することができます。丸いものの上に何かを置くと崩れるなど形やバランスについても学ぶことができます
上記に紹介したものは家でもつくれるようなシンプルで簡単な遊びです。さんすうといっても数や形、大きさなどどれも日常で使う大切な知識です。そのため、さんすうを学ぶことは、友達とのコミュニケーション力にもつながっていきます。
私たち保育士はアクティビティや日々の問いかけ、返答の仕方から、子どもたちが、さんすうに親しむきっかけを作ることができます。(すごいことですよね!!)実際に保育園でこんなアクティビティも子どもに人気だったよ~など現役保育士さんのご意見もあれば是非コメント欄で教えてください。
他にもEarly Childhood Education basic コースでは様々なことを学ぶことができます。現役学生としてどんなことを学んでいるのかこれからも発信していきたいと思います。