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大阪総合保育大学で講義をさせてもらいました|学生のリアルな感想から見えるカナダの保育

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最終更新日:

日本と海外、どちらが良い・悪いという話ではありません。違いを知ることで、私たちの視野は大きく広がります。
この講義は、そんな第一歩になってほしいという思いから始まりました。対象は保育大学の3年生たち。
テーマは「海外の保育から学ぶ、保育の多様性」です。

講義の目的:多様性に気づき、自分自身の保育観を問い直すきっかけに

今回の講義では、私がカナダの保育現場で経験した「保育の多様性」について紹介しました。

この授業のゴール:

  1. 知る:海外の保育環境って?現地の保育を知る
  2. 考える:自分の保育観と照らし合わせて考える
  3. 感じる・動く:未来の自分の可能性に目を向け、行動のきっかけにする

カナダの保育環境に見る「多様性」とは?

講義では、「保育環境の違い」を中心テーマに、次のような事例を紹介しました。

たとえば:

  • 保育士の国籍はさまざま。英語が母語でない人も多く働いている
  • おもちゃにも気を配っていて、おままごとエリアの人形なども肌の色が偏らないようにしている
  • 宗教や文化に応じた多様なランチ。豚肉NGやベジタリアンの子も普通にいる
  • 保育士の服装や髪型は自由。タトゥーのある先生も珍しくない
  • 子どもが「やりたくない」と言えば、促すことはするが無理にやらせないのが基本方針
  • 保育士と子供の配置基準について。日本に比べて保育士1人あたりの子どもの数が少ない

こうした実例を紹介しながら、「日本の保育とは違う前提に立ってる文化」があることを伝えました。


学生のリアルな感想:驚きと共感、そして挑戦したい気持ち

講義後に実施したアンケートでは、学生たちから印象的な感想が多数寄せられました。

「“やりたくない”と言える子どもへの接し方に驚いた」
「先生=サポーターという考え方がすごくいい」
「タトゥーのある保育士がいるなんて信じられなかった」
「保育留学に行ってみたくなった」「ワーホリに挑戦したい」

感想の多くは、日本の“当たり前”とのギャップに対する驚きと、自分自身の価値観が揺さぶられたというものでした。


感想から見えた、学生たちの変化

感想を分析して感じたのは、以下のような傾向です:

  • 「知らなかった」ことを知ったことで、新しい視点を持てた
  • 「やってみたい」と自分の行動としてとらえる学生が多かった
  • 保育を“自分らしさ”と重ねて考えるようになっていた

今回の講義は、情報提供というよりも、一人ひとりが“自分の保育”を考えるきっかけになったのではないかと感じています。


次に聞いてみたいこと|学生たちの関心テーマ

アンケートでは、「次に聞いてみたい内容は?」という質問も行いました。その結果、関心の高かったテーマは以下の通りです:

「次に聞いてみたい内容は?」

  • 子どもへの関わり方・アプローチ(10票)
  • カナダの保育士の働き方・労働環境(8票)
  • 海外でのボランティア・実習の方法(8票)
  • カナダで保育士になるための方法(資格・英語・ビザなど)(7票)
  • 保護者対応やしんどいと感じたこと(1票)
  • 海外での保護者との関わり(1票)

実践的でリアルな部分への関心の高さが際立っており、次回はより深いテーマでの講義や記事を求められていると感じました。


まとめ:多様性に触れることが、最初の一歩になる

日本とカナダの保育は、文化や制度の違いから生まれる「当たり前」が大きく異なります。
けれど、その違いに触れることこそが、自分の保育観やキャリアの可能性を広げる第一歩です。最初のゴールにもあったように「知る」「考える」「動く」。日本と海外、どちらの保育が良い・悪いということではなく、違いを知り、自分ごととして考えて動く保育士が増えることで、色んな保育観が認められるようになり、現場に新しい風が入りやすくなって、ゆくゆくは保育士も子供も過ごしやすい環境になると思います。

「自分のやってきた保育を一度問い直してみる」
「こんな働き方もあるんだと知る」
「自分の“やってみたい”を素直に受け止める」

今回の講義が、そんな気づきのきっかけとなっていたら、とても嬉しく思います。


【保育大学・短大関係者のみなさま】
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この記事を書いた人
福岡大学人文学部卒業後、カナダに留学。 MTIコミュニティーカレッジでEarly Childhood Educationを勉強。 2007年バンクーバーのデイケアに就職。
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