コロナが始まる少し前の3月頃に保育ボランティアに参加頂いた方から、このようなご連絡をいただきました。
そこで今回は、
『なぜカナダは外国人保育士が多いの?』
というテーマで、
日本に比べて明らかにたくさんの外国人保育士が活躍しているのはなぜか?
なぜ日本からカナダの免許へは書き換えができるのか?
カナダ→日本の免許書き換え ✗
日本→カナダの免許書き換え ○
自分なりに調べて考察したことをまとめていきますので是非最後までご覧下さい。
まずカナダの外国人保育士が多い理由の一つとしてカナダの移民政策があります。
カナダの国土面積は世界第2位。日本の約27倍の国土面積があるにも関わらず人口は日本の3分の1以下です。
国土面積があるにも関わらず、カナダも日本のように少子化です。それを解決するためにも留学の制度、わかりやすい移民制度、難民の受け入れ、外国人にも住みやすい環境作りをすすめることで移民を増やし、人口増加や経済活動の活性化に力をいれています。
参考:https://www.cbc.ca/news/politics/census-2016-immigration-1.4368970″
カナダ政府の統計局が出したデータを元にカナダ大手放送局のCBCニュースがまとめた記事から抜粋したものです。
これによると2036年までにカナダ人口の34.4%は移民になると予想されています。これを見てもわかるようにカナダの移民人口は年々上昇傾向にあります。
このグラフはカナダ統計局から抜粋したものです。グラフが小さくわかりにくいので申し訳ないのですが、濃い青が移民、薄い青がカナダ生まれを示しています。
25歳から54歳の働き盛りの年齢の場合、2017年の雇用の大部分(60%)は移民によって占められているのがわかります。また人口の高齢化に伴いカナダ生まれの雇用が減少傾向にあることがわかります。
このグラフより移民の年齢は25〜34歳が大多数をしめていることがわかります。この年齢で移民してくる人たちは、海外の免許や学歴を持った人がほとんどです。それに伴い、免許の書き換えや学歴についても寛大になってきたのだと推測されます。
また年齢からわかるように、この世代は子供がすでにいる、または移民者は家族が祖国にいるため、幼稚園や保育園などに預けて働く人が多い世代です。チャイルドケアワーカーの需要が高いことにも納得です。自国民で補えないところを沢山の外国人保育士が補っている状況です。
幼稚園が文部科学省の管轄にあるように、日本の保育には教育の要素を含む認識があるのに対し、カナダの保育は親の代わりに安全に子供を保つ事の比重が多くなっています。
こちらは日本とカナダの幼児期の教育システムの違いをまとめたものです。
カナダでは年長さんにあたる5歳を教えるのは小学校教諭になり、保育士とは異なります。
その為か、保育士資格取得の為の就学期間が日本よりも短く設定されています。
日本の資格取得にかかる時間数のほうが多いことも、カナダで免許書き換えが可能な理由の一つではないでしょうか。
充実したチャイルドケアの仕組みは、有能な女性の社会進出には必須です。
慢性的にはチャイルドケア不足を解決するために、ナニーといった仕事の従事者には永住権の取得を保証するなど外国人が保育に携わる機会を国が意図的に作っているのではと考えます。
もちろん、ビザのためだけでなく多国籍国家を形成する上で、小さな時期から海外の文化に触れる機会を持つ事は子供の人格形成にも役立つというような意図もあるのではないでしょうか。
審査基準を厳しく設けることで自国に必要な人材を上手く選別して移民を受け入れているカナダです。
保育士は今のところ必要とされている職種なので、免許の書き換え可能、需要があるため移民しやすい職種の一つです。
カナダに外国人保育士が多い理由は、移民政策により子供を持った世代を多く受け入れることによって保育施設の需要が増え、それに伴って増える保育士の需要を外国人保育士によって賄っているためだと考えられます。
外国人保育士を受け入れることによって、幼少期からの異文化理解が深まったり、柔軟性のある考え方のできる子供を育てるという狙いもあるのかもしれませんね。
いずれにせよ、保育士の需要はこれから先も続きそうです。