皆さんこんにちは。カナダで保育士をしているmayです。
保育士というと、幼稚園の先生と混同されたりすることもありますが、
そもそもカナダで”保育園”と訳される施設はデイケアとプリスクールとがあります。
違いがよくわからないという方も多いと思うので、
日本およびカナダにおける保育園と幼稚園の違いや、
デイケアとプリスクールの違いについて今日は書いていきたいと思います!
カナダのことを知る前に、まずは日本の保育園と幼稚園の違いから紹介します。
ずばり、保育園と幼稚園とでは管轄する機関が違います。
幼稚園は文部科学省、保育園は厚生労働省の管轄。
幼稚園の先生をするには幼稚園の教員免許、保育士をするには保育士資格が必要です。
保育園は0〜5歳児まで通えますが、幼稚園は3〜5歳児が対象。
保育園が早朝から夕方遅めの時間まで子供を預かるのに対し、
幼稚園は朝から午後早めの時間までといったところが多いようです。
最近は認定こども園という、幼稚園と保育園の特性を併せ持った施設もできているようです。
では、日本で保育園と幼稚園がどのように定義づけられているかというと・・。
保育園とは(厚生労働省より)
幼稚園とは(文部科学省より)
要約すると、保育園は”保育に欠ける”子供をお世話するところで、
幼稚園は小学校より前の初等教育という認識です。
カナダも保育園と幼稚園は同じような区別がされています。
幼稚園はKindergarten(キンダーガーテン)と呼ばれ、小学校の中にある場合が多いです。
ただし日本と違い、幼稚園は1年のみ。Junior kindergartenと呼ばれます、さらに一年前から始められるところも州や場所によってはあるようです。
私の知っているBC州バンクーバーの学校では、幼稚園が一年、そのあと小学校を7年間行き、そして中学高校を5年間行きます。
なので中学校と高校が区別がされていないイメージです。少し保育から脱線しますが、学年を言う時は、小3とか中2とかでなく、1年生から12年生までを通し番号で言うことが多いです。
例えば、小3の場合はGrade 3、中2の場合はGrade 8。幼稚園はそのままKindergartenです。
幼稚園から高校卒業までを合わせてK-12と呼ばれることもあります。
また、カナダの幼稚園も保育士免許とは違う免許が必要です。
保育士免許の場合は1年ないし2年大学や専門学校へ行けば取得可能なのに対し、幼稚園で働くには小学校教諭の免許が必要です。
小学校教諭になるためには4年制大学に行く必要があるので、ひとまず経済的に留学生にとってかなりハードルがあがります。
そのため、日本人の方は1〜2年で免許の取れる保育士を目指す人が多い傾向です。
もし4年制大学へ行きたい場合は、2年で一旦卒業し、就職してお金をため、永住権を取り(保育士は比較的永住権の取りやすい職種です)、
そのあと3年生より入り直すと経済的にはだいぶ楽です。(永住権を取るとカナダ人と同じ授業料になるので、留学生時代より学費が3分の1ほどになります)
前述の通り、キンダーガーテンは学校の管轄となる幼稚園です。
ではデイケアとプリスクールは保育園として扱われますが、いったいどのような違いがあるのでしょうか?
デイケアは日本の保育園のような感じで、朝早めから夕方遅めまで子供を預かることのできる施設です。
施設にもよりますが、7:30〜8:00頃から5:30〜6:00頃まで開いているところが多いです。
保育士はシフト制のところがほとんどで、早番、遅番などと分かれていたりします。
プリスクールは午前3時間、午後3時間などというように、時間枠が決まっており、
お昼などは各自で済ませるタイプの施設です。
保育士は朝から午後まで通して働くことが多く、休憩も子どもたちの帰っている
間の時間にみんなで一斉に取ります。
なので日本の幼稚園はプリスクールに近いのかもしれません。
ただ、日本のように「保育園は子供を預かってもらうところ、幼稚園はお勉強するところ」
というような区別はそこまでありません。
プリスクールもデイケアも、同じ保育士免許で働くことができますし、
園によってはプリスクールでもデイケアでもどちらでも、
字や数を習ったりするところもありますし、逆に遊び中心の園もあります。
私が働いている園はデイケアで、朝から夕方まで子どもたちを預かっていますが
遊び中心の教育方針で、いわゆる”お勉強”というスタイルはとっていません。
これは好みによると思います。私はデイケアでしか働いたことがないので、デイケアがいいなと思うのですが、
プリスクールで実習をしていた友人は「プリスクールはプログラムがぎゅっとしていて、準備や片付けの時間もしっかり取れるのでいい」と言っていました。
反対にデイケアは、アクティビティの準備や片付けも基本的には子どもたちがいる間にやることになります(お昼寝タイムなどを利用することはありますが)。
その代わりに、食事の時間やお昼寝の時間など、一日の流れに変化があるので飽きることなく毎日が送れるなと個人的には思っています。
園の種類もそうですが、園の教育方針なども働く上では重要なので、
色々な場所でボランティアしてみたり、サブ(代替保育士)として働いてみたりして、
自分に合うところを探せるといいのではないかなと思います!