今日はカナダの障害児教育のあり方についてお話したいと思います。
カナダでは障害を持った子供達のことをchildren with special needs といったりchildren with exceptionalitiesと言ったりします。「障害」を直訳した「disability」を使うことはほとんどないし、私も含めてこの単語を使うことにすごく強い抵抗を示す先生や親御さんもものすごく多いです。
実際に、日本の養護学校、ろう学校、盲学校のような特定のspecial needsを抱えた子どもたちだけの通う施設や学校を作ることは禁止されていて、みんな一般のスクールの一般的なクラスルームに通いながら、助けが必要な授業では特別なクラスに通ったりしています。
オンタリオの幼稚園以上のパブリックスクールではspecial needsのレベルによっては、生徒一人につきサポートをしてくれるEAと呼ばれるeducational assistantがつくことも非常に多いです。
このEAさんは、special needsの生徒一人につき、普通の授業に少し工夫を加えた特別な授業プランを考えたり、special needsの内容に応じて心理学者やドクター、カウンセラーなどのスペシャリストとチームを作っていかにその子や周りの生徒が快適に学校生活を送れるかを練にねって実行してくれます。しかも全部無料!!!!
幼稚園以下でも、何か子供の発達で気になるところがあるのであれば、チャイルドサポートというサポートワーカーがまず子供の観察に来てくれて、この子は絶対にサポートが必要だ!となれば、その子のサポートをするスタッフを配属してくれます。もしまだ要観察と判断されたとしても、定期的にサポートワーカーが観察に来てくれて、成長をみたり、どうやったらECEがその子のサポートをできるか、どうやったら他の子どもたちと一緒に学んでいけるか、どうやったら皆が快適に過ごせるクラスルームを作れるかなどのアドバイスをしてくれます。
そうなんです。カナダの障害児教育で色濃いなーと思うのは、special needsの生徒だけを考えるのではなく、その子にフォーカスを当てながらも、他の生徒にも同じように気を配り、最終的に、「皆にとって快適で皆が学べてハッピーになれるクラスルーム作りをする」というゴールに向かって先生やサポートスタッフが頑張っているということ。
こういった、すべての生徒が一緒に学んでいく環境のことをinclusive environment/classroomと言います。
このinclusiveという単語、カナダの教育を語るには無くてはならない存在で、常に先生が念頭に置いている言葉だと思います。子供達の発達レベルや、どれほどサポートが必要かなどみんながみんなそれはそれは個性的で一人ひとり違ってきますが、それをどう工夫すれば一クラスにまとめ、みんなが平等に教育を受けれるか、成長できるか、そういったことをECEのプログラムではたっくさんたくさん学びます。
カナダのクラスルームに最低一人〜二人はspecial needsを持った子供がいると言われているので、inclusiveという言葉を頭においていくことは必要不可欠で、そういったクラスルーム作りをするためのスキルや知識を身につけることも必要になってきます。
そして、この概念は決して教育者だけに留まるわけではなく、一般的にカナダでは広く知られ、受け入れられている概念だと思います。日本と比べ、「人と違うこと」や「少数派」に属することに対する抵抗というか反発力が少なく、なんなら「人と違うって素敵やん☆」、「自分と違うもの持ってる人から学ぶことってめっちゃあるやん☆」みたいな考えを持ってる人で溢れているので、そういった国民性が、カナダのオープンな障害児教育につながってるんだろーなーと思います。
少し長々と書いてしまいましたが、とにかくカナダのspecial needs educationは少し日本と違っていて、学ぶところがたっくさん!とくにspecial needsを抱えるお子さんのいる家庭にとってはカナダのspecial needs educationは気に入ってもらえること間違いなしだと思います☆
カナダでスペシャルニーズの資格を取りたいというお問い合わせもたくさん届いているので、興味のある方はこちらの学校紹介ページをご覧の上ホイクペディアにお問い合わせください。
では今日はこのへんで!