さて、今日は突然の夕立がやってきて街全体がずぶ濡れになってしまったトロントから、カナダの保育現場の先生と親御さんたちの関係についてお話しようとおもいます。
カナダの保育所では、先生と親御さんの関係は、「先生と親御さん」ではなく「家族の一員」そんな関係なんです。
保育所によって決まりは多少あるんでしょうけど、生徒さん家族と仲良くなればプライベートでベビーシッターをしたり、誕生日パーティー、生徒さんのピアノの発表会、クリスマスパーティー、そんな家族が参加する行事にどんどん呼んでくれます。
こちらではクリスマスに大切な人にギフトを送る習慣があるんですが、クリスマスシーズン、先生はたくさんのギフトを頂くことになります。日本だとこういう習慣はないですし、もし何か貰っても断らないといけなかったりしますよね?でもこっちだと、「ありがとー」といって受け取るし、先生からも全ての家族にギフトを用意します。(子供を経由したり、学校からということにしたりして。)
こんな風に、先生と親御さんはとっても近い関係にあります。こんな風に、「先生という立場」を超えて親御さんと関わるとき必ず言われるのが、
「You are a part of our family」
あなはたはうちの家族の一員だから。
このフレーズとっても心に響くうれしいフレーズ。私の経験からいうと、カナダのファミリーたちは先生のことを家族の一員として見てくれています。
困ったときは助け合い、何か問題があれば親御さんたちは遠慮なく抗議するし、先生も相手の講義に理解を示しつつ、プロの意見をちゃんと主張して解決策を模索する。親御さんもその主張を理解した上で一緒に解決策を模索してくれる。
先生と親御さんはこんな家族のような関係で成り立っています。
もちろん、先生と親御さんという関係が全く無いというわけではありません。でも、その垣根を飛び越え、家族というエリアに足を踏み入れることを歓迎してくれる、そんな感じです。モンスターペアレントなんていう概念はありません。
(例外で物凄く大変なファミリーもいたりしますが笑)
なぜこの記事を書こうと思ったのか。それは過去受け持っていたちょっぴりやんちゃな女の子の親御さんからのメールがきっかけでした。その保育所を去ってからは1年が経つのですが、今日届いたメールには、その子が未だに私の事を覚えていてよく思い出話をするし、よく「なんで先生に会えないの?」と1年経っても聞いてくるのよ。と書かれていました。そして楽しかった思い出や、どれだけ素敵な時間を過ごせたかがびっしり書かれていて、最後に、時間が合えばその女の子も含めてみんなで会いましょう!という一言で締めくくられていました。
こんな風に、先生と生徒の親という関係以上のものを築けているからこそ、保育所という仲介役がいなくなったとしてもお互いが繋がっていられるんだなと思いました。こんなふうに言ってくれる親御さん実はけっこういるんです。本当にありがたい。
カナダの保育の特徴は、子供だけが対象ではありませんと強く教えられること。家族全体としてみることがとっても大事で、家族との絆を深めることがとっても大事だと教えられます。親だけでなくて従兄弟や叔父叔母、おじいちゃんおばあちゃん、「家族」のことをできるだけ良く知るためにどうしたらいいか、そんなことを問われる授業もあります。そして、相手もこちらのことをよく知ろうと他愛もないおしゃべりをいっぱいするし、沢山コミュニケーションをとってくれます。
こんな風に、カナダの保育は先生と親御さんの関係をそれ以上のものにしよう!という風潮があります。私はとっても素敵な文化だと思います。いい意味でリラックスして保育できるし、お互いのことを良くしることができる。家族の一員としてテイクケアさせてもらえていることがとっても誇らしく、またさらに頑張るぞというモチベーションにもなります。中には、ちょっと慣れ合いが入っていてやだ。なんていう保育士さんもいるんですが、私はカナダの保育のいいところだと思います!!