皆さんこんにちは。カナダで保育士をしているmayです。
前回、カナダと日本の現役保育士さんにアンケートを行い、その結果を基に職場環境の比較記事を書きました。
記事はこちらから↓
今回はさらに深く掘り下げて「カナダと日本で保育士として働く場合どのようなメリット・デメリットがあるか」や「どちらで働くのがよいか」などをアンケートの結果に基づいて詳しく分析していきたいと思います。
日本またはカナダで保育士として働いたことのある方に行ったアンケート内容を軽くおさらいしながら分析してみましょう!
こう見てみると、日本で保育士として働くメリットはカナダで保育士として働いても実現できることのような気がします。
子どもの成長に関われるということはカナダでも日本でも同じです。
また質に関しては「協調性が重視される」のか「個人が重視される」のかの教育方針の違いはあれど質の高さは個人的にはそこまで変わらないと思います。
特に行事などについては、「多くて良い」という反面、準備が大変という声が多くありました。
きめ細かい保育を目指すがゆえ、月案や個別指導案などの作成などに時間が取られているようです。
日本の保育士さんが挙げた「四季に応じた保育や行事」についてですが、確かにカナダでは運動会やお遊戯会はありません。
そのかわりクリスマスパーティーをしたり、イースターやハロウィンの時はイベントを行ったり、父の日や母の日にはプレゼントを作ったりなどということがあります。
もっと言うと、園が計画しなくても保育士が計画すれば色々な行事を行うことができるのも特徴。
「運動会をしましょう!」と計画すれば、多分「ダメ」というところは少ないのでは?
自分次第で企画立案できるところは、私個人的にはカナダで保育士をするメリットです。
カナダでは基本的に、諸々の書類作成(入園手続きや親への連絡など)はスーパーバイザー(園長)が行います。
日々の記録はほとんどないか、一筆書く程度。
例えばオムツ替えや昼寝の記録はホワイトボードに時間を書き、お迎え時にわかるようになっています。
その日に何をしたかなどは親御さんに直接話をするという感じ。
園によっては写真を撮って親御さんの携帯に送ったり、SNSを使ったりすることもあるようです。
いずれもそんなに時間をかけないところが多いです。
カナダの保育士さんは給料が安いということ以外はデメリットを感じていないようです。
(英語力に関しては、そもそも英語が嫌いな人はカナダで保育士をすることを検討しないと思うので抜きにするとして)メリット・デメリットで比較すると、カナダの方が優勢なのではないかなと思います。
驚いたのは、日本の保育士さんは労働条件が悪いのにも関わらず、満足している方が半数以上ということ。
それだけ子どもの成長に関われるという、保育士の仕事にやりがいを感じているということで非常にいいことだと思います。
ただやはり、カナダで保育士をしている私からしても、このアンケートの結果からしても、「カナダで保育士をすれば、労働環境が大幅にいい状態で同じ仕事ができるのにな」と思ってしまいます。
日本の保育士さんの思いは切実です。
このような意見が非常に多く見受けられました。
一度立ち止まって、外を見てみてはどうでしょうか。
カナダではお給料は2週間ごとに受け取るのが基本です。
このアンケート時には4週間のお給料をきいており、月収に揃えるともう少し高いです。
カナダでも他の職種と比べるとお給料は低いですが、生活ができる程度ではあります。
給与面ではそんなに大きくは変わらないかもしれませんが、一要素として検討材料にはなると思います。
残業がないことは魅力です。
私も会社員時代は毎日残業は当たりで、定時を例えば15分過ぎて帰ったら「今日は定時で帰れた!」と思いハッピーでした。
ですが今では15分残業すると、「15分残業しなければならなかった!タイムシートつける!」といった状況。笑
カナダのBC州では残業(8時間以上)をするとオーバータイムといって1.5倍の給料がつきます。
また12時間以上働いた場合は2倍もらえます。
ただデイケアで12時間を超えることはないと思うので1.5倍が一般的。
残業については、例えばサークルタイムの準備で図書館へ行ったり、フェルトストーリーを作ったりする時間などは、就業時間以外で作ることになります。
そういった意味では「週に数時間就業外労働がある」と言うのも納得。
ただし強制ではないですし、あくまで有志でといった感じです。
sick dayは無い方もいらっしゃいましたが、あれば通常の有給休暇にプラスで使えるので、休み自体は多くとれることになります。
sick dayは1ヶ月に1〜2日取れるため、病気で有給を使わなくてすみます。
私の園はDr.appontment(病院や歯医者に行くための休み)も年に6日とることができます。
カナダではsubstituteという制度が一般的で、保育士が休んだ時は臨時教員が補完するので休みは取りやすいです。
有給を1ヶ月とって日本に帰国というのも難しくありません。
日本はどの職業も有給を取りにくいですよね。
その点ではカナダの方がオフを充実させられると思います。
日本の保育士さんは交通費や住宅手当など、手取りが低い分手当がしっかりしているイメージです。
カナダでは交通費の支給がないので、その分手取りから捻出されるのが痛いところ。
住宅手当や扶養手当はありませんが、家族の分の国民保険はカバーされます。
また、通常の国民保険ではカバーされない「歯医者や薬代の保険」も園によってはカバーされるところもあります。
福利厚生は日本の方が整っているといえるかもしれません。
0歳児 →1:3
1〜2歳児→1:6
3歳児 →1:20
4〜5歳児→1:30
0〜2歳児→1:4
3〜5歳児→1:8
カナダは日本に比べ、先生と子どもの比率に余裕があります。
そのため仕事自体の量も他の保育士と手分けして出来ることが多いので、精神的にも肉体的にも楽だと言えるでしょう。
私個人としては3歳児や4歳児の20〜30人は怖すぎて働けない・・。
安全面もですが、一人一人の状況を把握するのが大変すぎますよね・・。
このようにカテゴリー別で見ると、カナダの方が労働環境がよい場合が多いということがわかります。
もちろん日本の保育園の中でも、残業がなく、仕事内容も多すぎない園もあるでしょう。
教育方針は保育士個人が何を大事だと考えるかによって、日本がいいのか、カナダがいいのかは変わってくると思うので一概には言えないと思います。
私個人としては、協調性を重視した集団生活の中での保育より、レッジョエミリアをベースとした、子ども一人一人の意見や個性を尊重した保育がいいと信じているため、カナダの教育方針のもとで保育士をしたいなという考えです。
どちらの国でも保育士は社会的地位が低く、給料が低い職種であることには変わりないです。
ただ、日本は書類作成や会議なども多く、長時間労働が必須。
時給にしたらとても安く働いているのではないのかなと思います。
最後に2つ!
という点だけ一言づつ付け加えて締めさせていただきたいと思います!
大学などで取った日本の保育士免許はカナダBC州への保育士免許の書き換えが可能です。
免許書き換えの詳細はこちら↓
免許書き換えは資格そのものを書き換えるというよりは、大学で取った単位を変換し、基準を満たすことで資格の取得ができます。
そのため全ての免許において可能というわけではありません。
まずはCOS留学サポートデスクにお問い合わせをいただければと思います。
資格がない場合でも、カナダで大学や専門学校に行けば、保育士免許を取って仕事をすることが可能です!
保育アシスタント資格であれば最短4ヶ月から取得可能!
そのあとワーキングホリデービザなどと組み合わせれば、Substituteの保育士として働くことができます!
ワーキングホリデーのビザが取れない方も、公立の大学を卒業すれば、ポストグラデュエートワークパーミットという就労ビザを申請できます。
そのため道が全くないことはありません。
時間やお金はかかりますが、単純に語学学校で他の留学生たちと英語を学ぶより、英語を使って保育という専門分野でカナディアンに混ざって学び、資格を取得してみてはいかがでしょうか?
私も渡航前に思ったのがこれです。
カナダで働くとなると、同僚も子どもたちも全員カナディアンです。
日本人である私は他より劣っているのではないか、就職できないのではないかという不安、あると思います。
しかし、カナダは多国籍国家で、外国人はあなただけではありません!
同僚も子どもたちも国籍豊かで、英語が第二言語の人は多くいます。
白人の子どもや同僚に囲まれて…というのを夢見てくる方もいらっしゃるかもしれませんが、ここカナダで肌の色で差別するのはNG。
色々な人種の人と関わることになります。
英語力も高いにこしたことはありませんが、日常会話がなんとかできればひとまずはOKです。
あとは働く前に語学学校に行ったり、ボランティアをしたりして身につけるといいと思います。
語学学校の詳細はこちら↓
ボランティアの詳細はこちら↓
カナダでも保育士は足りていない職業なので、比較的就職しやすいです。
特にSubstituteの保育士はどの保育園も常に雇用を考えていると思いますので、悩んでいる方は勇気を出して来てみたらいいんじゃないかなと思います!