インタビュー企画!先日のウェビナーにて日本で保育士としての経験を持ち現在カナダで保育士になるためカレッジに通っているErikaさんをゲストに、日本とカナダの保育の違いについてお伺いしました。
日本の保育園もカナダの保育園も大きく変わりはありません。朝早く来る子もいて、みんなが揃ったら主活動が始まり、外遊びや夕方にはお昼寝があります。ただ日本では給食がありましたがカナダはお弁当がメインのところが多い印象です。またカナダでは土曜保育はあまり聞きませんが、日本では土曜保育を取り入れているところがほとんどという違いはあると思います。
1番大きく違うのは保育士一人あたり見ることができる子どもの人数が違うことだと思います。日本では保育士一人で3歳児の場合20人、4-5歳児の場合30人を見れることになっています。バンクーバーのあるブリティッシュコロンビア州では保育士一人で3-5歳児は8人を見れることになっています。ここから派生する、子ども一人あたりに割ける時間など保育環境の違いは大きいと思います。また書かなければいけない書類の量は圧倒的に日本の保育園の方が多いです。毎日書く日誌やクラス便り、連絡帳などを手書きで書いていましたが、カナダはそういった書類が少なく、保育園から伝えたいことはホワイトボードを使って書いておいたり連絡帳の内容も保護者の方がお迎えに来られた際に口頭でコミュニケーションを取ります。
日本は1年を通して行事があり、テーマも決まっていて子どもの日だったらこいのぼりやかぶとを作り、なおかつ学年によって内容が被らないように気を付けたりもします。カナダの場合は行事は少なく、よりも子どもたちの興味のあることに重きを置いていると思います。行事をすることのメリット、デメリットはあると思いますが、日本の行事に追われる保育は少し違和感があります。例えば、“今日は天気がすごく良くて子どもたちも外で遊んだら楽しめるのに、発表会があるのでホールで歌の練習をさせなきゃいけない”というのはどうなんだろうと感じるときもありました。ただ行事を通して親御さんも子どもたちの成長を見ることができますし、子どもにとっても楽しい思い出となると思うので無さすぎるのも寂しいかと思います。バランスが大事ですね。
ブリティシュコロンビア州の保育は子どもと大人の立ち位置が“対等”で子どもの意見を尊重する傾向にあり、見る人数も日本よりも少ないのでより一人一人とより密なコミュニケーションを取ることができます。対して日本の場合は1人で20-30人の子どもたちを見ていくことになるので、先生が先頭に立ち引っ張っていく学校のような特色が強くなります。個人的には、ブリティッシュコロンビア州の一人の先生が手厚く子どもたちと接することができるシステムは魅力的だと思います。実際にカレッジの授業でも「私たちはEducatorではあるが、同時にCo-constructorsでもある」と学び、子どもたちと一緒に知識や体験を学んでいく者と習い、それはすごく素晴らしい考え方だなと思いました。
まずはやっぱり英語の準備を!日本で経験があるといってもアプローチの仕方もやはり国が変われば変わってくるので、英語を理解できないとやはり難しい部分もあるので、もし時間があれば英語環境に向けて準備を。あとはもし今保育士をされている方であれば、今まで自分が使ったパペットや道具を持ってくることをおすすめします。エプロンシアターも重宝すると思います。日本の物のクオリティはすごく高いです!(笑)また行事ごとにつくった制作物を写真などに収めていれば、それを持ってくると就職活動でも使うことができるので持ってくることをおすすめします。
ワーホリ中に趣味のアルティメットを通して本当に素敵な友達たちと出会うことができ、カナダにもう少し残れたらいいなという思いがあるので、今後は実習をしてまずは卒業を目指します。就職活動もして将来は永住権も目指したいと思います。
今回は元保育士のErikaさんから貴重なお話を伺いました。いかがでしたでしょうか?私自身日本での保育経験がないのでとても勉強になりました。当然ですが、カナダで学んでいて日本の保育もカナダの保育も良い面・悪い面はあると感じます。日本の保育士さんの状況は過酷とよく言われますが、バンクーバーでもトロントに比べ低所得・低待遇のことは問題視されています。それでも保育園に通っている子どもたちは何でも吸収する成長期真っ只中の貴重な時間を過ごしており、保育士は子どもたちと関わる責任ある仕事であることはどちらの国でも変わりません。日本で保育士として働かれていた方はカナダに来てもその経験が絶対に役に立ちます。日本に帰る際にもカナダで吸収した知識や経験は日本の子どもたちの良い将来をつくることにつながると思います。日本人がカナダで保育士になるということはまだまだ特別な経験だと思うので、渡航前は不安も沢山あると思いますが今後の人生において役に立つ経験だと思います。皆さんが一歩踏み出す勇気を持てるようこれからもバンクーバーよりお届けできたらと思います。本日もホイクペディアのブログをご覧いただきどうもありがとうございました!