カナダ主要州の保育士向け賃金補助まとめ【最新版】

先日インスタでも紹介させてもらいましたが(マニトバ州の賃上げについての投稿)

近年、カナダでは保育士（Early Childhood Educator, 以下ECE）の待遇改善を目的とした「賃金補助プログラム（Wage Enhancement Program）」が全国的に導入されています。各州・準州が独自のプログラムを運営しており、その多くは外国人ワークパーミット保持者も対象となっています。優秀な人材の確保、専門職としての地位向上、そして質の高い保育の実現を目指して、カナダ各地で動きが加速しています。（私が保育士として働き始めた約15年前、ワークショップなどで「保育士の待遇を改善しよう！」と声を上げ始めた時期でした。あれから長い年月が経ちましたが、少しずつ、でも確実に状況は改善しています。）

この記事では、2024年から2025年にかけてカナダ各州・準州で実施されているECE向けの賃金補助プログラムを、州ごとに詳しく紹介します。 保育士としてカナダで働きたい方にとって、働く場所を決める際にも役立つ有益な情報です。

アルバータ州（Alberta）

• プログラム名：Child Care Wage Top-Up
• 運営機関：Alberta Children’s Services
• 概要：ECE資格レベルに応じて、最大$8.62/時の賃金上乗せ。
• 対象：認可保育施設で働くECE資格保有者（Level 1〜3）。ワークパーミット保持者も対象。

ブリティッシュコロンビア州（British Columbia）

• プログラム名：ECE Wage Enhancement（ECE-WE）
• 運営機関：BC Ministry of Education and Child Care
• 概要：認可保育施設のECEに対して、最大$6/時の上乗せ補助。
• 対象：BC州のECE資格を保有し、対象施設で働く保育士。ワークパーミット可。

マニトバ州（Manitoba）

• プログラム名：ELCC Wage Grid
• 運営機関：Manitoba Department of Education
• 概要：職種と資格に応じた賃金目標（ターゲットレート）を設定。
• Level 1のターゲット賃金：2024年7月時点で $17.40〜$19.00/時程度（経験により変動）
• 対象：州から運営補助を受けている認可施設の全職員。ワークパーミット保持者も対象。

サスカチュワン州（Saskatchewan）

• プログラム名：ECE Wage Enhancement Grant
• 運営機関：Saskatchewan Ministry of Education
• 概要：資格レベルごとに最大$8.50/時の賃金補助。
• 対象：ECE資格（Level 1〜3）を保有し、認可施設で勤務している職員。ワークパーミット可。

オンタリオ州（Ontario）

• プログラム名：Provincial Wage Enhancement (PWE) & CWELCC Wage Floor
• 運営機関：Ontario Ministry of Education
• 概要：PWEでは$2/時の上乗せ、CWELCCでは2024年より最低賃金$23.86/時が保証。
• 対象：認可施設の保育士、監督者、訪問者。ワークパーミット保持者も対象。

ケベック州（Quebec）

• プログラム名：特定名称なし（労使交渉による賃金協定）
• 運営機関：Ministère de la Famille
• 概要：2021年以降、賃金体系の大幅改定により、資格保有者の初任給が$25.15/時、最大$35/時超へ。
• 対象：CPE（非営利保育所）および政府補助を受ける保育施設の職員。ワークパーミット保持者も対象。

プリンスエドワード州　(Prince Edward Island)

• プログラム名：：Early Years Centre Wage Grid（正式名称あり）
• 運営機関：PEI Department of Education and Early Years
• 概要：Early Years Centres（EYC）で働く保育士に対し、資格と経験年数に応じた賃金が設定されている。ECE Level IIIの場合、最大時給は$30.81（5年以上の経験者）。2023年10月以降、各資格レベルに対して時給の引き上げが実施されている（例：Level III は$1.75増）。
• 対象：州が指定するEYCに勤務する保育士。ECE Level I〜III までの資格保有者。外国人ワークパーミット保持者も対象。

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