カナダでは高い保育料の問題や、保育士の給料についての改善が必要だと議論されてきましたが、ここ2-3年でカナダの保育士への待遇に変化が出ています。
これから保育士を目指す方にとってはお給料のことなど待遇が気になる方も多いのでは。
ということで今回は保育士の仕事内容や気になる給料事情、福利厚生などを見ていきましょう!
これまでにもカナダの保育士の勤務体系や給料事情についてはホイクペディアでも記事が沢山出ていますが、今回は2022年版としてもう一度整理しました。
カナダと言っても広いので、今回のまとめはバンクーバー周辺のものです。
【目次】
●カナダの保育園・幼稚園の福利厚生(雇用保険・年金・健康保険・交通費・有給休暇・ワークショップ)
7:30-18:00 7-8時間のシフト制です。
9:30-12:00 と 1:00-3:30など2部構成で年齢ごとに分けている場合が多いので固定勤務制が多いようです。
アフタースクールケアと言って日本の学童保育にあたるものを併設しているところもあるので、その場合はシフト制のところもあります。
子供の知的、身体的、心の成長や社会性を高める助けをするための活動をサポートします。
親とのコミュニケーション、専門機関との連携も仕事の一部です。
そのほかに子供の年齢や季節、興味に合わせたアクティビティーを計画し実行します。
よく聞かれるのがピアノに関してですが、カナダの先生は基本的にはピアノを弾きません。
たまにピアノがある園もあるのですが、必須では無いので弾ければ弾くという感じです。ウクレレやギターなどを弾く先生の方が多いように感じます。
これも必須では無いのでアカペラで子供と一緒に歌うのが主流です。
書き物に関しては日本に比べるとほぼ無いも同然です。
欠席や怪我などの連絡事項を先生達でシェアするノートに必要があれば書く、乳幼児保育園の場合は昼寝時間や排便、食事の量などを書く程度のところが多いです。
園によっても違うのですが、子供の様子を観察してドキュメンテーションパネルとして写真と文章で子供の様子を大きな画用紙にまとめるという園もあります。
勤務年数や資格の種類によっても給料は変わってきますが一般的な保育士の場合時給$20-26(2000円〜2600円)
保育士アシスタントの場合は時給$18−20(1800円〜2000円)が多いようです。
マネージャーなど上のポジションに就くと時給$30(3000円)以上も珍しくありません。
州によっても違ってきますが、現在BC州の場合はこれに政府から1時間につき$4(400円)の賃上げがプラスされます。
このプラスによって一般的な保育士の時給は$24-30(2400円〜3000円)に上がるので少しずつ保育士の待遇が良くなっています。
ボーナスに関しては出るところもありますが、日本のような給料の何ヶ月分という感じではなく、気持ち程度($100-500程度)がクリスマス時期に支払われるところが多いようです。
保育士不足の影響もあるのか、就職祝いのボーナスや引っ越しのための資金を出してくれるところもあります。
〈現在のレートでカナダドル$1=100円〉
※給料については保育士の求人(Work BC, Indeed, WCCRC)に載っている時給を元にしています。
一般的には65歳、繰り上げをすると60歳から受給可能で、日本を含むカナダ国外にいても需給可能です。
職種、給料の額にかかわらず約5.3%が天引きされます。雇用主は同額を労働者のために国に収めます。
日本で言うところの雇用保険(失業保険)に当たるもので、給料から約1.5パーセントが天引きされます。雇用主も労働者のために約1.4倍の雇用保険を支払います。
妊娠出産や雇用主都合でのリストラの際に給料の約55%が支払われます。もらえる期間は最大1年半程度です。
MSPと呼ばれる健康保険は加入時に仕事があれば無料で受けられます。
今現在、歯科・眼科は含まれませんが歯科に関しては今後含まれることになるようです。
この他にExtended Medical Coverageと言ってMSPでカバーされない薬代や歯科・眼科などのための保険もあります。
個人で加入をするケースや保険料の一部、または全額を園が負担してくれるケースもあります。
支給されるところもありますが、ほとんどの場合は実費になります。
バンクーバーの場合、月の定期が100ドル、134ドル、180ドル(10000円、13400円、18000円のいずれかになります。)
勤続年数によって違ってきますが、有給休暇は勤務日数の4%以上というルールがあります。(週5で働いた場合1年10日間に相当)
園の方針によって違うので1年目から6%(15日)という保育園や長期の勤続年数になると4週間という人も珍しくありません。
また1週間以上まとめて取ることを認めないといけないという法律もあるため、日本への一時帰国などもしやすくなっています。
病欠は最低5日間と州の法律で決まっています。ただし、勤続90日以上の場合のみに適応されます。
更新制の保育士資格を維持するために必要なワークショップなどの費用を負担してくれる園も多くあります。
園によっては独自のカリキュラムを持っており、それを習得するためのトレーニングを行う園もあります。
1年間で$200(2万円)など上限は決まっていますが、絵本やアクティビティーに使う材料費を出してくれる園も多いです。
物価の違いなどもあるので一概には言えませんが、給与面や労働時間面ではカナダの保育士のほうが日本よりも良いかなと思います。
向こう10年程度を目処にまだまだ保育士の需要が拡大していくことは間違いありません。
日本で保育士資格をお持ちの方は、カナダで保育士をするということも選択肢にいれてみてはいかがでしょうか。
ホイクぺディアでは、皆さんがカナダで保育士をするためのお手伝いをしておりますので、お気軽にご相談ください。
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