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コーナー保育ってなに?カナダの保育環境について

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保育園で一日の大半を過ごす子どもたち、その環境を安全にかつ学びの場、遊びの場として子どもたちにとって魅力的に保つことはとても重要です。

コーナー保育ってなに?

カナダで保育士資格を取得した私は日本での保育士経験が無いため、日本の保育事情を知ろうとネットサーフィンをしていたところ、”コーナー保育”というキーワードが浮かび上がってきました。

コーナー保育とは、子どもたちが主体的に選択できるように、目的ごとにコーナー分けして遊び場を設置すること

ネット記事によると日本ではここ数年でこの手法を取り入れる保育園が増加しているとのことだったのですが、カナダでは基本的にどの園でも実施されている手法だったので、あぁ、あれはコーナー保育と呼ぶのか!となりました。せっかくなので、私が経験したカナダのコーナー保育をご紹介したいと思います。

エリア分けの例

私の働いていた保育園では主に以下のエリアに分けていました。

  • Theme Areaー隔週のテーマに沿ってセッティングされたエリア
  • Building Areaー組み立て系のおもちゃ(積み木や電車の線路など)が置かれたエリア
  • Dramatic Play Areaーおままごとのエリア
  • Art Areaー工作やお絵かきのためのエリア
  • Science Areaー科学系おもちゃ(図りや虫眼鏡、万華鏡など)が置いてあるエリア
  • Sensory Areaー触覚を刺激する物が設置がされたエリア(Sand table, Water Tableなど)
  • Quiet/Reading Areaー静かに本を読むためのエリア
〜Theme Area: キャンプがテーマの週〜

〜Dramatic Play Area: パン屋さんの設定〜

〜Art Area: Hand Painting中の子どもたち〜

〜Science Area: Light Tableと万華鏡が置かれています〜

〜Sensory Area: Sand Table〜

〜Quiet/Reading Area: 読み聞かせ中なので少し賑わっていますが、ソファやクッションがあり奥には寝転べるスペースも〜

子どもたちが選択できるしくみ

エリア分けをすることで、なにが選択肢としてあるのかが見やすくなります。これにより子どもたちは、自分がなにをしたいのか、どのエリアで遊ぶのかという選択がしやすくなります。カナダは日本よりも全体行動の時間が少なく、子どもたち各々の選択を尊重します。こうした姿勢がクラスルームの構成にも反映されているのだと思います。

環境は子どもたちの振る舞いに影響する

家庭環境が子どもたちの性格や行動に影響するのは有名な話ですが、それと同様のことがどんな場においても言えます。逆説的に言うと、子どもたちの間違った行い(Misbehavior)には全て理由があり、環境もこの一因になるということ。保育園のセットアップもこの説に基づき工夫していました。
例えば、遊び道具もずっと一緒じゃ飽きますよね。同じおもちゃで遊んでいてもつまらないので子どもたちが何をするかと言うと、新しい遊び方を考案し始めます。遊びを考案するというとアイデアや創造性の発達に繋がって良いのでは?と聞こえは良さそうなのですが…これがMisbehaivorに繋がってしまうパターンが多いです。ビー玉を水道の蛇口に詰めてみたり、バービー人形の手足を引っこ抜いてその穴から砂を詰めてみたり、粘土をカーペットに擦り込んでみたり・・・子どもたちは先生を困らせてやろうと思ってやっているわけじゃありません。でも、やめて~(泣)ってなりますよね。

毎週おもちゃを入れ替える

既存のおもちゃに飽きてしまうことを最低限に留めるため、おもちゃは毎週入れ替えます。おもちゃは目新しさをキープすることが重要です。おもちゃ自体が新しくなくても、しばらくなかったおもちゃが出てくると子どもたちにとっては目新しいのですよね。私の働いていた保育園では、おもちゃの置き場所も変えていました。もちろん保育園の設備にもよるので、全取っ替えというわけには行きませんが、少し配置を変えてあげるだけでも子どもたちの反応が違ってくると思います。

保育園の環境って、毎日同じお部屋で一見すると代わり映えの無い世界ですが、保育士さんの愛情と工夫がたくさん詰まっています。

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この記事を書いた人
カナダBC州の専門学校を卒業し、保育士資格を取得。卒業後はカナダで保育士として働きながら、就労ビザ、永住権を取得。現在はホイクペディアのチャイルドケアアドバイザーとして、自身の経験を元にカナダの保育の良さを広めるために日々奮闘中。
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