わたしは大学を卒業後、日本で2年間保育士をしていました。
将来英語を使って保育がしたいと思い、児童英語を学ぶためにワーキングホリデーでバンクーバーにきました。
3ヶ月間通った語学学校を卒業し、ベビーシッターの仕事をし始めて1ヶ月ほど経った頃、この海外のデイケアでの保育ボランティア体験プログラムの存在を知りました。
仕事の都合で週2日、午前中だけのボランティアとなってしまいましたが、それでも受け入れて下さった園の方々、調整して下さった奈央さんに感謝しています。
私自身、自分の英語力にあまり自信がなかったので、子どもたちと関わる以前に、先生方の指示を聞き取り、きちんとコミュニケーションが取れるのか不安でした。
不安いっぱいのわたしを、園長先生が笑顔で向かえてくださり、英語力にもまったく問題ないと言ってくれ、とても安心したのを覚えています。
ボランティア初日
子どもたちは、「誰?この人??」といった表情でわたしをみていました。園長先生が子どもたち一人一人にわたしを紹介してくれましたが、わたしは“Good morning!”と挨拶しながら、子どもたちの名前を聞き取ることで精一杯でした。耳からの情報で顔と名前を一致させるのはなかなか難しかったので、子どもの作品に書かれた名前を見ながら覚えていきました。それでも、クラス全員の名前を覚えるのに3日程かかりました。
また、子どもの話す英語を聞き取ることが、とても難しく、何を話しているのかさっぱりわからないこともありました。特に4、5歳児になると話すスピードも早く、単語も増えるので、毎回?(はてな)がとんでいました。
子どもたちの英語に耳がなれてきたのは、2週間目の終わり頃だったと思います。毎日通っているわけではなかったので、その分余計に時間がかかってしまったように思います。
この園では、近くの図書館に行き、読書をしたり、年上の子たちにはヨガクラスがあったりと、アクティビティが多いと思います。園のプログラムでヨガをやるなんて、日本で聞いた事がなかったのでびっくりしました。子どもたちはとても楽しみにしているようで、今日はヨガなのー!と教えてくれたりしていました。
また、園長先生のご配慮で、サークルタイムに日本語の歌を歌う時間を設けていただきました。わたしは『大きなくりの木の下で』『キラキラ星』『チューリップ』『かえるの歌』など簡単な曲を歌いました。子どもたちは興味深々で、とくに『大きなくりの木の下で』は振り付きで、楽しんでくれていました。
例えば、わたしが行ったDaycareでは、登園後、最初にArtwork(coloringやdrawing)をします。これが最低限のルールです。それを終えると、あとはどのコーナーに行き、何をして遊んでもいいのですSnack timeまで、たっぷり遊ぶ事ができ、時間がとてもゆっくり流れているように感じます。
それに加え、室内のスペースもかなり広く、たくさんのコーナーやおもちゃがあるのもカナダの保育園の特徴だと思います。カーペットの部屋があったり、レゴテーブルがあったり、キッチンコーナーやドールコーナー、サイエンスコーナーなど本当にたくさんのコーナーがありました。
園の先生方のスタイルは、子どもたちと一緒に遊ぶというよりも、子どもたちの姿を見守っている感じでした。子どもたち同士のやりとりを尊重しているように思います。また、子どもたち側からの働きかけを大事にしていて、言葉でどうして欲しいのかきちんと伝えるよう促しています。
子どもたちはそんなわたしの姿をみてくれていたのか、ボランティアを始めて1週間経った頃には、子どもたちの方からたくさん話しかけてくれるようになりました。シャイな女の子も、日が経つにつれてわたしの質問に答えてくれたり、話しかけてくれたりするようになりました。そんな姿をみるのは、とてもうれしかったです。
今回このプログラムに参加し、英語を使ってカナダの子どもと関わることができ、本当にいい経験になりました。「Hi, teacher Emi. Do you want to play with me?」「Come here! Stay with me.」など、とてもうれしい言葉を毎日聞け、この子たちにとっても、楽しい時間となっていたのかな、と思うと、本当に充実した時間を過ごす事ができたなと感じます。かわいい子どもたちに会うのが毎回楽しみでした。
長くなりましたが、カナダ生活の中で思い出に残るとても素敵な経験ができ、本当にうれしく思います。
園の先生方、かわいい子どもたち、そして奈央さん、本当にお世話になりました。
ありがとうございました。