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海外と日本の保育事情を知るために、現役保育士さんへインタビュー!

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こんにちは、mayです。先日日本に帰国していた期間に、日本の保育園やインターナショナルプリスクールの見学に行ってきました。というのも私、保育の勉強をし始めたのが実はカナダにきてからなので、日本の教育現場が全く分からず、せめて自分の母国の保育事情くらいは知っておきたいと思ったから。私の友人は、年代的にもうだいたいみんな子供がいるので、集まると子供の話や保育園の話。その中には「保育園に子供が入れなくてまだ産休から仕事復帰できないのー」なんて声も。というわけで日本の保育事情を知るべく、保育園見学をしたり、そこで働いている人の話を聞いてみたいなと思ってインタビュー記事としてまとめました!

Asantop

まずはとある保育園に勤めているHさん。色々仕事の話を聞きつつ、働いている保育園の見学もさせてもらいました!

may: 今の仕事を始めたきっかけを教えてください。

Hさん:元々大学に進学した時は心理学を専攻していました。近い関係にある人が不登校だったこともあり、子供の心理に興味があり専攻を心理学にしたのですが、何かしらの悩みや障がいをかかえた子供の役に立ちたいという気持ちから、大学在学中は施設に週2回ボランティアに行っていました。卒業後はそのボランティア先の施設で働きたいと思っていたんですが、在学中の大学ではそのような施設で働く資格がとれず断念。それでも子供が好きで子供と関わる仕事がしたいと思い、1歳から年長までを受け入れている学習塾へ就職しました。でもその学習塾は拘束時間が結構長くキツい仕事でした。将来的に結婚とかしたら続けられないかもしれないし、一念発起して再度学校に通うことを決意し、専門学校で保育を学んで保育士になりました。

may:かなり壮大なストーリーですね。通われていた専門学校はどんな感じでしたか?

Hさん:そうですね、だいたいがみんな18〜19歳の高校卒業したての子たちで、一人だけちょっとみんなよりお姉さんでした。(笑)専門学校にいくと保育士の国家試験なしで資格が取れるので試験の心配はなかったんですがそのかわり宿題が多かったです。特に制作物。実習中に、実習ノートというものを毎日書かないといけなかったんですが、誤字脱字があってはいけない上、修正ペンの使用はNG。一カ所間違うと書き直さないといけないので大変でした。

 

may:そうなんですか!!それはそれは大変ですね・・。カナダも実習ノートありましたが、PCでの打ち込みなので間違いはすぐ直せたので、そんなに気を張らなくても書けたかも。うちの学校も文法やスペルミスはNGでしたけどね。

Hさん:そうなんですよ。専門は2年間だったんですけど1年目が授業で2年目に実習が入ってくるという感じでした。幼稚園、保育園、施設の3箇所で実習でしたね。幼稚園と保育園は実習はどちらも1ヶ月くらい、施設は1週間泊まり込みでした。実習がきつくて学校やめた子も結構いますよ。そもそも大学に行けなくて専門を選んだ、という子もいましたしね。

may:なるほど・・。うちの学校はみんなモチベーション高くて逆についていくのに必死です(笑)。年齢層も幅広いし、学校の雰囲気からして結構違うのかもしれませんね。ちなみに資格はじゃあ幼稚園も保育園もどちらでも働ける資格がとれるんですか?

Hさん:そうですね、幼稚園教諭と保育士どちらもとれました。

 

may: ちなみに就職はどのようにきまったのですか?

Hさん:私は実習先が自宅近くだったんですが、たまたまそこで一人の先生が退職されると聞いて、じゃあ求人出るんじゃないかと思って自分から聞いちゃいました。なので幸運にもすんなり決まりましたね。普通は公立だと市にもよると思うんですが公務員試験受けて筆記試験があってその後集団面接、実技という流れだと思います。実技はピアノが多いみたいですが模擬授業のところもあるみたいです。

 

may:ピアノ!ピアノの試験ですか。

Hさん:そうですよ、学校でもピアノの授業ありましたしね。

 

may:そうなんですね、カナダの学校はピアノの授業はないですね。資格は学校を卒業できればもらえるし、就職の際に試験も聞いたことがないので就職のフローは全然違うかも。ちなみに給料の相場ってどのくらいなんですか?

Hさん:園にもよるし、自分自身の給料という意味でなくて本当に相場ってだけの金額でいくと、手取り20万円いかないくらいなんじゃないでしょうか。

 

may:うーん、予想はしていましたがそれではやはり日本で保育士さんの給料が低いと言われているのもわかりますね・・。カナダは最低でそれくらい、って感じだと思います。ちなみに保育士さんは結構帰るのも遅かったりすると聞きますが、そのあたりはどうですか?

Hさん:うちの園は実は残業とか全然なくて。他の園に勤めている人は夜の9時まで仕事したりとかも普通みたいですよ。うちはお昼寝中に書類を作成したり時間をとれたりするので、それでうまくやれています、月案という月ごとの予定表を組んだり、個人案という個人の取り組み表を組んだり、そういったことをそのお昼寝中にしてますね。そのかわりお休みがあまりなくて、お盆休みはありません。幼稚園の方が帰れるのは早いかもしれませんね。保育園は7時までやっているというところもありますし。

 

may:そうやって時間が上手く使えるのはいいですね!ちなみに生徒一人に対して先生はどのくらいいるものなんですか?

Hさん:0歳児だと1:3、1-2歳児だと1:6、3-5歳児だと・・1:20かそれ以上、ですね。

 

may:そうなんですね!ちなみにカナダのデイケアは3-5歳児で1:8です。20人以上だと大変そうですね・・。でもその分カナダは保育料が高いんですけどね。カナダでは保育園1ヶ月8〜10万円くらいが相場でしょうか。もっと高いとこもあります。

Hさん:そうなんですか!日本は親御さんのお給料にもよりますが月2〜3万円くらいというところでしょうか。乳児だと5万円くらいしたりしますが母子家庭は無料、子供が3人目以降は無料、2一目は半額などという制度もあります。

 

may:保育園に入れる側になったときは、金額的には日本の保育園に入れたくなりますね。(笑) ちなみに一日の流れを教えてください。

Hさん: 勤務はシフト制で、8:30-17:15が通常、7:15-4:15が早番、10:15-19:00が遅番、という感じです。子供たちは早いと7:30から来る子もいます。9:00からがおやつ。9:30-10:00がうちのクラスは外遊び。10:00-10:45が室内遊び。11:00-11:30が給食でそのあと着替えて12:00-15:00がお昼寝です。15:00-15:30が着替えておやつ、15:30からはお迎えがはじまり、順に帰っていくという感じですね。

 

may:結構時間できっかり色々決まっているんですね!それでは最後に一言お願いします。

Hさん:仕事は楽しいです。うちの園はずっと続けられる環境だし、ずっと続けたい。親も近くに住んでいるので今は子供を親に預けたり保育園にお迎えにいってもらったりしているんですが、そういったことができるのもあって働けてるのもあります。社会人になってからでも保育士の夢をあきらめず、最後まで夢を追ってここまでこれてよかったかなと思います。

 

私が見学に行かせてもらったときは午前中で、ちょうどみんな室内遊びをしている時間でした。クラスによってはサークルタイムをしていたり、制作とよばれる図工のようなことをしていたり。サークルタイムでは、丸い厚紙に洗濯バサミをつけて動物に見立て、それで子供たちに「この動物なーんだ!」というようなことをしていました。制作をしているクラスでは、月ごとに教室に飾る飾りを作っていたのですが、そのときはトイレットペーパーに紙で作った羽根をつけてとんぼをつくる・・というような制作をしていました。

今すでに保育士として日本でご活躍されている方は、こういった現状はもうご存知なのかもしれませんが、私は初めて日本の保育園に行ったので新鮮なことだらけ。自分がボランティアしていたカナダの保育園と比べると、色々違う点があるなと思いながら見学させていただいてました。

もう一つ、インターナショナルプリスクールにも見学させてもらいにいったので、そちらはこちらの記事「カナダ留学後日本のインターナショナルスクールへ就職した方へのインタビュー!」で紹介しています。

この記事を書いた人
カナダ・バンクーバー近郊にある公立大学Capilano Universityで保育を勉強。日本では広告業界で働いていたので保育関連の知識や経験はゼロでしたが、卒業後無事フルタイムの保育士として現地の保育園に就職しました。移住を目標にカナダへ来たので、次の目標は永住権取得。ビザや永住権に関するトピックにも触れながらカナダの保育についての生の情報をお届けします!
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