「保育士の喫煙って、実際どう扱われているの?」
日本では語られにくいこのテーマですが、カナダでは公開コミュニティで普通に議論されるほど“オープン”な話題です。
今回は、
日本とカナダの保育現場の喫煙事情と、子どもの健康管理への価値観の違い
を比較していきます。
日本もカナダも「子どもの健康を守りたい」という思いは同じなのに、
喫煙に対するアプローチはまったく異なります。同じゴールでも、文化が違うとこんなに方法が変わるのだと実感してもえらえると思うのでぜひ最後まで読んでください。
日本の保育現場では、喫煙はタブーに近い扱いです。
その背景には文化的理由だけでなく、法規制があります。
保育園・幼稚園・認定こども園などの児童福祉施設は、
改正健康増進法により“敷地内全面禁煙”が義務化されています。保育施設については、2019年7月から園内・園庭・駐車場すべて禁煙となりました。
特に日本では、
科学的リスクより“印象と信頼”が基準 にされやすい特徴があります。
カナダの保育現場では、日本ほど喫煙はタブー視されません。
ただし、
「自由」と「職場のルール」はまったく別の話であり、
勤務中に好き勝手に喫煙休憩を取ってよいわけではありません。
日本と特に大きく異なる点がここです。
カナダでは以下3つが全て議論されます。
タバコを吸った後、煙が消えていても
服・髪・皮膚・家具に有害物質が残る現象。
乳幼児クラスでは特に重大なリスクと考えられています。
つまり、
喫煙=自由、でも “子どもの健康管理” は科学的に非常に厳しい
というのがカナダの特徴です。
同じ喫煙でも、考え方は大きく異なります。
| 項目 | 日本 | カナダ |
| 喫煙の扱い | タブー視される | 個人の自由 |
| 判断基準 | 印象・周りの目・清潔感 | 科学的根拠・EBP(Evidence-Based Practice) |
| 健康リスク意識 | 受動喫煙中心 | 三次喫煙まで議論 |
| 休憩 | 基本的に固定・追加休憩NG | 法律に基づく・追加休憩はNG |
| 信頼形成 | 清潔感が基準 | プロとしての対応が基準 |
◆ 日本
事実上“ほぼNG”
社会的・感情的・文化的に強く制限される。
◆ カナダ
個人の自由。ただし「子どもの健康・職場ルール・科学的根拠」による管理は厳格。
つまり、
喫煙そのものよりも、
判断基準(印象 vs 科学)が国によって全く違う
ということがポイントです。
喫煙の違いは単なるタバコの話ではなく、
“保育の価値観の違い”を理解するヒントになります。
海外でECEとして働く予定の人には、
ぜひ知っておいてほしい観点です。
喫煙という小さなテーマですが、
日本とカナダの保育観の違いがよく表れています。
どちらの国でも「子どもの健康と安心を守りたい」という思いは共通しています。
そのアプローチが違うだけです。
海外で働く際には、こうした価値観の違いを理解しておくことがとても重要です。