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日本の『保育士が一斉に退職する』というニュースにカナダで働く日本人保育士として思うこと

Tomoka

この記事を書いた人 Tomoka
2018.12.22

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皆さん、こんにちは。今日もブログを読みにきてくださりありがとうございます。カナダの日本人保育士Tomokaです。私は先日から冬休みに入り、しばし休憩中です。日本の皆さんももう少ししたら冬休みでしょうか。

 

さて、先月のニュースなのですが、『東京都世田谷区の企業主導型保育所で保育士が一斉に退職する』というニュースが日本の各メディアで大々的に報道されたのはご存知でしょうか?私は今月に入って初めてネットのニュースで知りました。今回は、このニュースについて、カナダで働く日本人保育士の私が思うことを記事にしてみたいと思います。

 

 

いったいなぜ!?保育士が一斉に退職した理由

この園の保育士たちが一斉に退職した理由の一つに、「賃金未払い問題」があったそうです。日本の保育士さんは一般的に仕事内容に比べて賃金が低いということは皆さんご存知だと思います。なのに、ここにきて賃金未払い問題。それは、退職するのも無理はない話ですよね…。この東京都世田谷区の企業主導型保育所は、これまでも保育士の入れ替わりが激しかったという話も報道されています。やはり労働環境に大きな問題があったことがうかがえますよね。

 

日本の保育士さんの労働環境について

最初にお伝えいたしますと、日本にある全ての保育園や幼稚園が全てブラックであるというわけではないと思います。しかし、カナダにいてもよく聞く話の中に、保育士は賃金が低いことで知られているが、賃金未払いやその他に休憩が取れないなどの労働基準法違反、上司によるパワーハラスメントや持ち帰り仕事などによる過酷な労働環境が蔓延している実態があるというのがあります。

 

具体的にお話しますと、休憩時間が取れないのに、ある時間を休憩時間とみなされて、その時間分のお給料が支払われないというケース。休憩時間の問題は、子どもの午睡中が休憩時間とされていたり、子どもに食事を食べさせながら一緒にご飯を食べている時間を「あなたもご飯を食べているでしょ」と休憩時間扱いにされたりなどがあるのではないでしょうか。実際私は学生時代に保育所へ実習へ行った時に、「保育士は子どもの食事介助しないといけないからゆっくり食べてはいけない。かきこむの。」と言われたことがあります。また、私が小学校教師時代も給食をゆっくり食べられた記憶は担任外の時だけでした。担任をしているとゆっくり食べる時間はありません。休憩時間ではないのに、シフト上休憩時間になっていたりするのです。

 

その他に、事務仕事をこなす為に園内で残業をしたり、持ち帰って仕事をしているのに残業代が支払われていないケース。居残りや持ち帰り残業の問題は、日中の通常の勤務時間は保育に入っているにもかかわらず、子どもの相手をする以外の時間は「残業」として認めない園も多々見られるのではないでしょうか。これも小学校と被る部分があります。事務作業や行事の準備・遊具の制作などの仕事が終わらないにもかかわらず、「残業はするな」と言われて園の中でやれないため持ち帰ってやらないといけないといった場合もありますよね。

 

本来は、事務仕事や行事の準備・遊具の制作、設定保育の準備など、保育や教育に関わるものすべてが労働時間に当たり、賃金が支払われなければならないと、カナダでしっかり賃金が支払われている労働環境にいる私は本当にそう思うのです。

 

また、これはカナダでもそうなのですが、「最低配置基準ぎりぎりの人員」で職場を回している保育園がほとんどだと思います。しかし、

カナダは3~5歳児だと8人の子どもに1人の保育士

日本は3歳児だと20人の子どもに1人の保育士、4~5歳児だと30人の子どもに1人の保育士

と割合が全然違うのです。日本はカナダの2.5~3.75倍の数の子どもたちを1人で見なければいけません。人員が絞り込まれている中で、たくさんの行事が企画され、保育士たちが忙殺されるといった現状が、今の日本の保育士さんの置かれている環境ではないでしょうか。

 

劣悪な労働環境のせいで辞めるのは保育士の責任?

保育士が一斉退職することについて、「非常識」「子どものことを考えてない」というような見方をする人たちも少なからずいると思います。もちろん、園を信用して子どもたちを預けている保護者の方々の立場からすれば、そのような考えを持っても仕方がないのはもちろんのこと。

しかし、保育士の多くは子どものことが好きで、その成長を見守る仕事をしたいという人たちであるとも思うのです。資格をとるのには最低でも2年かかる上に、低賃金なことはすでに知られている通り。それでもこの仕事を選んでいるというのは、本当に子どもたちのことを思っているからだと思います。

日本の保育士さんのこの思いがずっと大切にされるように、労働環境を改善することが一番大事だと思います。だから、この一斉退職された保育士さんが、自己嫌悪に陥ることなく今日もどこかで楽しく笑顔で保育士ができていたらいいなって思います。

 

カナダの保育士の労働環境について

今までもカナダの保育士の労働環境についての記事を書いてきましたが、こちらではまず1人で見る子どもの数が日本とは全然違います。また、休憩時間はちゃんと決められている時はきちんと取れますし、働いたら働いた分だけきちんとお給料が支払われます。お給料自体は一般的には低い方だと言われていますが、それでも生活はできる範囲です。行事も年間通して少ないですし、そもそも事務仕事がないので、日本に比べると仕事量も少ないです。

ちなみに、こちらでは保育士が一斉に退職するといった話は今のところ聞いたことがありません。そうなる前に、おそらくみんなオーナーに直談判して解決すると思います。

 

まとめ

今回は、日本の「保育士一斉退職」というニュースを読んで、私が思ったことを書いてみました。なお、私は小学校での教師経験はあるものの、保育園や幼稚園での就労経験は日本ではほぼほぼ無いので、実態についてははっきり言って知らない部分もあるので、私なりにしっかりと調べた上で書かせていただきました。

今後、日本の保育士さんのお給料が上がり、1人で見る子どもの人数が減り、働いた分はしっかりとお給料が出るなど、労働環境が改善されることを心から願っています。

この記事を書いた人

Tomoka

日本では小学校教諭8年。ずっと子どもたちと関わる仕事をしています。COSカナダ留学サポートデスクとの出会いはホイクペディアで活躍している海外保育士さんのブログがきっかけ。持ち前の決断力と行動力で小学校教諭を退職してからの30代でバンクーバーに留学。保育士免許書き換えと現地のカレッジ履修を通してBC州の保育士免許を取得。ホイクペディアの他自身のサイト「カナダで保育士奮闘中」も運営中。


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