海外保育現場でよく聞くレッジョエミリア幼児教育法とは?

may

この記事を書いた人 may
2017.09.17

皆さんこんにちは。カナダで保育士をしているmayです。
今日は少しお題が大きいので、どこまでお話できるかわかりませんが、
海外で保育というとよく聞くことがあるレッジョエミリアアプローチについて。
私の住むカナダBC州では、保育指針自体がレッジョエミリアアプローチを参考に
作られたものなので、私はレッジョエミリアについて大学で勉強してきました。
日本にもレッジョエミリアの保育園、幼稚園が存在すると聞きますが、
カナダに比べるとかなり少数かと思います。
というわけで今日は、レッジョエミリアがどういったものなのかを
すこーしだけご説明したいと思います!


 

レッジョエミリアアプローチとは?

 
イタリアのレッジョ・エミリア市発祥の幼児教育方法。
Loris Malaguzzi(ローリス・マラグッツィ)という社会心理学者が
レッジョエミリアの基礎を作り上げたとされています。
1991年に発表された”世界で最も優れた10の学校”によって世界から注目を浴びることになったようです。
 

レッジョエミリアの特徴

 

1.Child-centred (子ども中心)

 
通常、教育というと「先生から生徒に教える」という構図を想像しがちですが、
レッジョエミリアでは先生、子ども、親、みな平等の立場で接し合うべきだといわれています。
子どもを”子ども”として扱うのではなく、一人の人間として接するというのが前提。
なので子どもが嫌だということに対してはその意思を尊重し、
好きな気持ちを大切にします。
もちろん子どもが嫌でもしてもらわなければいけないことはあるので(オムツを替えるとか)、
その場合は子どもを無理矢理トイレに連れて行くのではなく、
自然に子どもをトイレに向かわせるようあの手この手を使って導きます。
学びの場も同じ。学ぶことが大人からの一方的な押しつけで、
楽しくなければ子どもは学ぶこと自体を楽しめず、意欲低下により学ぶ力が減退します。
よって子どもの好奇心のもと、学ぶのは楽しいんだという気持ちが学ぶ力をアップさせます。
 
このようなchild-centredのカリキュラムにより、
子どもたちは個性が尊重され、自己責任感なども身につけることができます。
 

2.Emergent curriculum(出現性カリキュラム)

 
Child-centredと関連して、レッジョエミリアで重要視されるのが、
Emergent curriculumです。
これは大人が子どもに対してカリキュラムを与えるのではなく、
子どもたちの興味に則してカリキュラムを組んでいこうということ。
 
例えば外で虫を見つけて子どもたちが大喜びしている場合。
「この虫はトンボだよ」と教える前に
「この虫は何を食べているのかな?」「どこに住んでいるんだろう?」
という質問を子どもたちにしたりします。
(こうやって質問をして子どもたちに考えさせる手法をInquiry based learningといいます)
そこで「葉っぱ!」「土!」などという子どももいますが、
「シャボン玉!」と答える子どももいるかもしれません。
「なんで?」と聞きましょう。「羽根が透明だから、シャボン玉を食べてると思う。だから飛べるんだ」
というような答えに、大人は子どもの創造力が無限だということを気づかされます。
 
このようにEmergent curriculumには創造力を養うという意義もあります。
先ほども述べたように、子どもたちの好奇心から学びの場を提供していく意義もあります。
加えてそこからどんどん展開していって、
「じゃああとでこの虫を工作で作ろうか。どんな材料がいるかな?」
とアートのプロジェクトにしていったり、
サークルタイムで虫に関する本を読んだりしていくことができます。
これが、子どもたちの興味に基づいたEmergent curriculumの一例です。
 

3.Documentation(ドキュメンテーション)

 
Documentというのは書類という意味ですが、
この場合のドキュメンテーションは、「記録に残し提示する」というような意味合いです。
私たちの学校では「Pedagogical(教育学的) documentation」と呼んでいたのですが
方法としては、意義深いある時間を写真やビデオにとり、
文字に起こしてクラスルームに掲示するというのが一般的。
例えば先ほどのトンボの例なら、トンボをみている子どもたちを写真にとり、
どんな会話がされたかを文字におこします。
その一時の解釈を先生が付け加えたりして、教室に掲示。
子どもたちは文字は読めないかもしれませんが
写真を見てそのことを思い出せますし、
親もどんなことを子どもたちがしているのかがわかるというわけ。
このドキュメンテーションをもとにプロジェクトを行っていくこともできます。
 
ここで紹介したのはほんの一部で、私の個人的解釈も含まれるため
これを丸々鵜呑みにはしていただかない方がいいとは思うのですが
カナダの学校で保育を学ぶと、このようなレッジョエミリアについての
基礎知識を学ぶことができます。
 
また、カナダの保育園で働くと、レッジョエミリアに基づいた保育園も多いので、
このような教育法を実践で体験することができます。
日本に帰ってインターナショナルスクールに就職したいという方も、
海外で保育を学ぶのは英語面でも教育方法の面でも
有利になるのではないかなと思います。
 
最後に、マラグッツィの有名な言葉を引用。
 
“子どもには 百とおりある。
 
子どもには 百のことば 百の手 百の考え 百の考え方 遊び方や話し方
百いつでも百の 聞き方 驚き方、愛し方 歌ったり、理解するのに 百の喜び
発見するのに 百の世界 発明するのに 百の世界 夢見るのに 百の世界がある。
子どもには 百のことばがある (それからもっともっともっと)
 
けれど九十九は奪われる。
学校や文化が 頭とからだをバラバラにする。
そして子どもにいう 手を使わずに考えなさい 頭を使わずにやりなさい
話さずに聞きなさい ふざけずに理解しなさい
愛したり驚いたりは 復活祭とクリスマスだけ。
そして子どもにいう 目の前にある世界を発見しなさい
そして百のうち 九十九を奪ってしまう。
そして子どもにいう 遊びと仕事 現実と空想 科学と想像 空と大地 道理と夢は
一緒にはならない ものだと。
 
つまり 百なんかないという。子どもはいう でも、百はある。”
 
(田辺敬子訳)
 
レッジョエミリア教育法に興味を持った方へ。
ぜひカナダでの保育留学を選択肢として考えてみていただけたらと思います!

この記事を書いた人

may

カナダ・バンクーバー近郊にある公立大学Capilano Universityで保育を勉強。日本では広告業界で働いていたので保育関連の知識や経験はゼロでしたが、卒業後無事フルタイムの保育士として現地の保育園に就職しました。移住を目標にカナダへ来たので、次の目標は永住権取得。ビザや永住権に関するトピックにも触れながらカナダの保育についての生の情報をお届けします!


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海外保育現場でよく聞くレッジョエミリア幼児教育法とは?」 に2件のコメント

  1. そら より:

    こんにちは。私は日本で保育士をしています。カナダへの保育士留学を考えているのでこちらのブログを参考にさせて頂いています。レッジョ・エミリアアプローチも以前から気になっていたので今回の記事はおおー!っと思いました。この件で質問をさせて下さい。BC州ではレッジョ・エミリアを基に…と書いていらっしゃいましたがカナダの他の州ではどうなのでしょうか?他の州のカレッジでもカリキュラムに入っているものですか?

    • naoko naoko より:

      こんにちは。コメントありがとうございます。レッジョエミリアは日本でも人気が出てきましたね!他の州もカレッジでもレッジョを採用しているところはあると思いますよ!保育留学の際はぜひご連絡いただけると幸いです!

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