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職場環境編 | バンクーバーとトロントの保育現場の違い

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こんにちは、Chloeです。

前回の記事「バンクーバーの保育現場とトロントの保育現場の違いシリーズ~クラスルーム篇~」でトロントとバンクーバーの保育現場の違いをお話しましたが、今日は一番気になるであろう”職場環境や職探しや給料事情”をお話したいと思います。

各都市の保育現場に違いをもたらす監査

前回も少し触れた、何がこの2大都市の保育現場に違いをもたらすのか??というところから話しますね。

それは年に数回、”市や州からやってくる監査”の方たち!!州が違うと国が違うんじゃないかと思うくらい、色々な決まりがその州によって違います。

しかも、”トロント”はその監査がめーーーっちゃ厳しい!!というか細かい??しかも2種類もあるので年に最低2回はやってきます。一方のバンクーバーの場合、年に基本1回。(ただし、過去のパフォーマンスが良いと1年以上経ってくるときもあるし、逆も然りで、悪いともっと頻繁に来たりもします。)

トロントにやってくる2種類の監査:”Licensing”と”TOC”

Licensing・・・??

トロントの監査の2種類のうちの1つはバンクーバーにもやってくる「Licensing‐ライセンシング」と呼ばれるもので、保育施設をオープンするときにライセンス発行してもらうために審査を行うところです。

ライセンシングオフィサーが定期的にやってきてチェックをします。どちらかというと必要な書類や施設・備品、保健衛生チェックのほうがメインで、現場の保育士さんがそこまでぴりぴりすることはないんです。(といっても緊張はしてしまう)

TOC・・・??

そして,もうひとつのToronto Operating Criteria(略してTOC)と呼ばれているトロント市が行う審査が厳しい!細かい!!もしかするとバンクーバーでは経験したことがないのでそう感じるだけかもしれませんが。。。ちなみに、バンクーバーは当然ライセンシングのみですよ。

彼らはライセンシングとは違って、プログラムの中身をメインに見ます。子供たちの年齢にあった十分な教育や発達サポートを提供できているか、クオリティは保てているのか、そういったことを中心に審査していきます。

具体的にTOCはどんなことするの?

まず、チェックされる項目がたっくさんあって、しかもガイドラインに従って点数がはじき出され、さらにそれがトロント市のホームページを通して一般に公表されるのです。なので、この保育所はどの項目何点で、総合得点何点で・・・っていうのがまるわかり!

チェック項目はそれはそれはたくさんあって、前回話したように、多様性が反映されたディスプレイの充実度、他言語教育の豊富さ、プログラミングの質、クラスルームのエリアわけ、アウトドア遊具の豊富さ、給食の栄養面(バンクーバーと違ってトロントではほとんどの施設が給食付)、保育士と子供の関わり方などなどほかにもそれはそれはたっくさんの審査項目があります。

参考までに、とある保育所のTOCの成績がこちら。

これが全ての審査項目で、右のコラムの点数が、センターの平均点、そして市全体の平均点です。ものすごく細かいでしょう??

toc

困ったことに、彼らは抜き打ちでやってきます。ある日突然早朝からやってきたりします。つまり、常にこの項目クリアして運営してるの当たり前だよねってことです。

もちろん大事なことで、クリアしていて当たり前なんですが、そのプレッシャーが半端じゃないので(もし悪い点をとった場合にはまずいことが起こる・・・)、常に子供たち以外で気にしてないところが出てくるので大変だなーと感じます。

例えばディスプレイに力をいれるためにせっせと手作りでボードをつくったり、プログラムプランニング(日本で言う指導案のようなもの)をするのは必須で(バンクーバーでは必須ではない)、それを親御さんの目に届くところにわかる様に貼り付けないといけないうえに、どのアクティビティがどのエリアの発達に役立っているかの説明付でないといけなかったり。バンクーバーでは考えられないエクストラで保育士がするべき必須項目が大変多い!!

これも保育士の仕事の一部なのはもっちろんなんですが、バンクーバーでは必須ではなく・・・どちらかというと仕事して、息抜きして、子供たちが楽しむことも大事だけど、先生が「楽しい」と思えることも大事だよね!だから、抜くとこ抜いて締めるとこ締めないとね!そんな感じ。なので、適度に息抜きのために休憩もしたりして・・・、子供たちのお昼寝の時間にコーヒー飲んだり、おしゃべりしたりなんてことも普通でしたね。

でも、ここトロントじゃほとんどありません!!つねに何か書類作成しているか、物づくりしているか、常に「締まってる」気がします・・・お勉強大事・職歴大事!な少し日本に似たお土地柄トロントなので、そこらへんは日本と似ているのかなと思います。それでも日本に比べると仕事量は少ないですが・・・。

バンクーバーのときは、こんなにも審査項目もなかったし、どちらかといえば運営してる側のほうに目が向いていて、保育士の能力で大きく変化するプログラムの質や子供との関わり方なんかは審査されていなかったので、保育士は少しは気が楽だったなーと懐かしく思います笑。

結論を言うと、トロントでは、こんなに審査項目がたくさんある・・・つまり保育士さんたちの負担=仕事量もバンクーバーと比べてとっても多いように感じます。

ただ!!実はこのTOCがやってこない施設もあるんです!!

実はすべての施設にTOCがやってくるわけではないんですねー。ライセンシングはすべての施設にやってくるんですが、TOCがやってくるのは、トロント市内にある施設で、さらにその施設が、州の提供する助成金プログラム(Subsidyと呼ばれるもの)に加入している場合のみ。つまり、トロント近郊のエリアにはやってこないですし、Subsidyに加入していない施設にもやってこない!

*ちなみにこのSubsidyとは、親の収入や家族の大きさによって金額が変わってくる子供手当てのようなもの。月謝の高いカナダではとっても助かります。時によっては全額免除なんてことも珍しくありません。

こちらが提示する基準をすべてクリアしたハイクオリティの保育施設にしか国からお金は出せませんよってことなのかなという勝手な私の予想。それゆえにクオリティを高く保つために監査も厳しくなっているのかなーと。

「なーんだ、じゃーそんなに仕事量のこととか心配しなくてもいーんじゃーん。仕事探しの時にSubsidyに加入してないとこ選べばいーんじゃーん。」と思うでしょう。

ただ、このプログラムに加入している保育施設かなりあるんです・・・笑 特に、お給料や待遇がいいとされているNon-profit(非営利目的)の保育施設はほとんど加入しています。なので・・・、待遇を選ぶか、TOCから自由になることを選ぶか・・・という天秤がトロントでの就職活動では多々登場してくる・・・かも?

そして、TOCがやってこないからといって、仕事量が必ず減るわけではない!基本的にトロントとバンクーバーを比べると、トロントの方が仕事量が多めなイメージです。大学に行ってて感じるんですが、雰囲気がそんな感じ。(すいませんうまく表現することができませんが、ECEとしてのスタンスや空気感がバンクーバーのものとは違います。)

しかし!ただがむしゃらに仕事量が多いわけではなく、その分プログラムの質向上や、お給料に反映されるんです。

まとめ

ここまでTOCの批判に聞こえてしまっていたらすいません。当然ですが、TOCが視察にくることで起きるポジティブな部分もたっくさんありますよ!!なのでお給料の話とTOCがもたらすポジティブな部分は…………このまま続けちゃうとかなり長い記事になってしまうので、すいませんが次回に持ち越しさせてください!!

監査の話をすると、書かなくちゃいけないことがたくさんありすぎて文章もまとまりないし長くなるしで申し訳ありませんが、次回をお楽しみに!!もうそろそろこの違いシリーズ終わります!

“違いシリーズ”はこちらから

この記事を書いた人
バンクーバーアイランドにある州立大学のECEプログラム卒業後、ECEフルライセンスを取得し、Infant and Toddler Daycare、Junior Kindergarten等様々な保育施設で保育士として働く。永住権を取得し、保育士経験6年目となった2014年に心機一転、トロントに渡り、幼児教育のBA(学士号)取得を目指し州立大学3年次に編入。現在、大学生と保育士の2足のわらじをはいて毎日奮闘中!
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